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女子の都市大塩尻が5連覇 男子の松本国際は王座奪還

第75回全日本バレーボール高校選手権大会(春高バレー)県大会の男女決勝が11月13日、長野市のホワイトリングで行われ、男子の松本国際と女子の都市大塩尻が優勝した。全国切符を懸けた大一番で輝いた両校の選手たち。来年1月4日に東京都内の東京体育館で開幕する全国での活躍に期待が高まる。
 女子の都市大塩尻は圧倒的な強さを示した。東海大諏訪との決勝は第1セットを25-15、第2セットを25-17、第3セットを25-17で奪ってストレート勝ち。5連覇を果たし、10回目の大舞台へ駒を進めた。
 2回戦から決勝までの4試合全てでストレート勝ちと抜群の安定感を披露。決勝は第1セットからフル回転し、6連続ポイントでリズムをつかむと、セッターの櫻井心(2年)のトスワークからテンポ良く多彩な攻撃を仕掛けた。持ち前のコンビバレーで相手を翻弄し、市川早彩(2年)らアタッカー陣も躍動。相手に反撃の余地を与えなかった。

 2年生主体でチームを構成する中、大黒柱はミドルブロッカーで主将の伊藤采音(3年)。冷静さが光る一方で、ムードを高める盛り上げ役にもなってチームをけん引する。劣勢の場面や一気に畳み掛けたい局面での気持ちの持ち方が課題だったというが、決勝では全員で勝利への強い意志を共有してプレー。伊藤は「少しは成長できたかな」とほほ笑む。
 今夏のインターハイはベスト8止まり。今井一仁監督は「壁があった。何とか突破できるように精進し、今年こそ壁を破って頂点を取りたい」と意気込む。伊藤も「下級生がプレーで引っ張ってくれてやりやすい。全力で日本一を取りにいく」と強い覚悟を示す。

 男子の松本国際は昨年の決勝で敗れた岡谷工を苦しみながらも下し、王座奪還に成功した。第1セットを25-14で先取するも、第2セットを21-25で奪われた。第3セットも接戦となったが、終盤に粘りを見せて25-22で奪取。流れを引き戻した第4セットは25-17で勝利した。

 負けたら全国の扉が閉ざされるという重圧が松本国際の選手たちにのしかかり、プレーに硬さが生じた。それが焦りへと変わり、攻撃が単調になったところを相手につけ込まれた。それでも、落とせない大一番で勝ちきった強さは本物だろう。
 今夏のインターハイ、国体ともに4強入りした実力を有しながらも苦戦を強いられた。ただ、その経験は全国に向けて確かな成長につながるはずだ。壬生裕之監督も「もう少し課題がある。成長する糧が見えたのがよかった」と捉える。
 2年ぶりの春高バレーの舞台に立つ、アタッカーで主将の近藤悠斗(3年)は「悔しい思いをした昨年の先輩の思いも背負い、全力で戦いたい」と誓う。

【PROFILE:東京都市大塩尻高校】
1956年に信州電波専門学校として創立し、信州工業などを経て、2009年に現行名に改称。所在地は塩尻市広丘高出。
【PROFILE:松本国際高校】
1945年に白菊高等洋裁学校として設立し、塚原青雲、創造学園などを経て、2018年に現行名に改称。所在地は松本市村井町南3。