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充実のキャンプで完成度向上 いざシーズン開幕

確かな手応えをつかんでシーズンに突入した。J3松本山雅FCは1カ月に上るトレーニングキャンプを通じてフィジカルや技術、戦術などを洗練。昨季のベースにクオリティを上乗せし、練習試合などで大きな自信を得た。3年目となるJ3の舞台。返り咲きへの準備を整え、霜田監督2年目のチームが船出する。

 「楽しみでしかない。連動性や流動性は日に日に高まってきていて、それを公式戦でしっかり表現できれば良い結果になると思う」。第2次鹿児島キャンプ最終日の練習を終えた後、DF馬渡和彰はそう力を込めた。自身はJ1の川崎フロンターレ、浦和レッズなどでプレー。元日本代表MF中村憲剛らトップ選手から刺激を受け、その経験を新天地で還元する。
 例えば攻撃を組み立てるビルドアップの局面。馬渡は相手の行動などを予測し、一手先を読んだコーチングで味方を動かす。例えば韓国Kリーグ1部・FCソウルとの練習試合での一幕。右サイドバック馬渡は「(山本)康裕!」と名前を呼びながら、MF山本康裕ではなく手前のMF住田将にボールを預けた。
 すると何が起こるか。住田はフリーになっている山本に迷わずワンタッチでパス。馬渡のコーチングを耳にしているFW安藤翼らも連動し、山本にボールが入ったタイミングでラインブレイクする。山本からの正確な縦パスが入り、好機を演出した。
 経験を基にゲームを読む力と、それをピッチ上で遂行できる技術のクオリティ。馬渡だけでなく山本、高橋祥平らベテランの新戦力がそうした力を吹き込む。言葉で伝えたり、プレーで示したり。MF菊井悠介、DF常田克人ら既存の選手たちに大きな学びを与えている。
 チームとしてのプレーモデルも昨季に続いて明確なため、新たな選手を迎え入れてのスタイルにさらなる磨きがかかった。テンポよくボールと人が動き、前線の4人は流動的にポジションを入れ替えながらスムーズに連係。FCソウルとの練習試合は45分×4本で合計4ー0と圧勝した。
 あとは、公式戦で相手の対策などを上回れるかどうか。刻一刻と変わるピッチ内の状況に応じ、ピッチ内外で修正を加えながら勝利に至れるかどうか。練習とは別次元の重圧がかかる公式戦でも、90分間やり切れるかどうか。キャプテンに任命された菊井は「ただ思いを持っているだけでは意味がないし、それを表現するのは練習や試合。チームが優勝するために何ができるか24時間考えながらやっていきたい」と口元を引き締めた。
 シーズンは2月25日に開幕。11月24日までにリーグ戦38試合があり、上位2チームがJ2に昇格する。このほか今季から3〜6位によるJ2昇格プレーオフも新たに導入され、優勝した1チームが昇格する。
取材・撮影/大枝令