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ボアルース長野 主将 「西巻 広直」

開幕戦で昨季王者に健闘
F1定着を目指し、攻めの姿勢を貫き反転攻勢へ

9月5日の開幕戦では昨季王者の名古屋オーシャンズと三重県で対戦、2‐6で惜敗した。今季4連覇を目指す強豪相手の熱戦だったが、西巻広直主将は悔しがる。自らあげた反撃の狼煙となる「1点目を早く決めていたらもっと戦えたはず」。実は、手応えは未勝利に終わったものの昨季後半には感じ始めていた。
昨季、フットサルのFリーグ1部(F1)に昇格したが4分29敗と振るわず最下位に沈んだ。「スピード、攻守の切り替え、決定力…すべてがF2(2部)と違った」と、チームは壁にぶつかり勝てない日々が続いた。しかし、強豪チームとの対戦でもまれるうちにスピードにも慣れ、あたり負けも少なくなった。勝ち試合を引き分けに持ち込まれるという悔しさも〝経験〟として選手たちを成長させた。今季は横澤直樹監督の下、16人のうち9人が新加入という選手編成を行った。F1での経験豊富な選手も獲得。西巻主将も「多様な経験値を伝えてくれる。監督を中心に戦術について深い内容まで話し合うことが本当に増えた。今季は間違いなく〝戦える集団〟になった」と自信を見せ、その成果が開幕戦から出た。

横澤監督から人柄を評価されて昨季から主将に。その人柄を自己分析してもらうと、「よく相談される。話しかけやすいのでしょう」とトレードマークの笑顔で話す。監督と選手とのパイプ役を果たし、ピンチでも笑顔でチームメイトに声をかけ、士気を上げる。今の目標はF1定着だ。そのためには7、8勝は必要となる。「守備も含めて攻めの姿勢を貫くこと。長いシーズン必ず波がある。調子が上がらない時にいかにチームを鼓舞し、盛り上げていくかが大事」と主将の役割は認識している。個人としては12得点以上をあげ、チームの勝利に貢献することだ。
コート上の5人の選手が攻守に素早く展開し、得点も激しく動く興奮度はサッカー以上だ。ファンも多く、特にボアルースのサポーターは熱い。「ファンの方の応援は本当に力になります。10月末まではリモートマッチ(無観客)のため画面越しですが、戦うプレーを披露したい。今季は一つでも多くの勝利を届けられるように頑張りたい」と反転攻勢を誓った。

取材/斉藤 茂明

ボアルース長野主将
西巻 広直 HIRONAO NISHIMAKI
大学卒業後、栃木ウーヴァFCにDFとして入団。その後フットサルに転向し、昨季よりボアルース長野でプレー。ポジションはピボ(FW)。日中は冠婚葬祭会社の営業社員として働く。出身の栃木県とは異なる長野の自然に魅せられ、オフはソロキャンプやトレッキングを楽しむのが最近のマイブーム