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【文化学園長野中学・高等学校 バドミントン部】心技体の準備着々 攻めの「覚悟」で大舞台に挑む

キュッ、キュッ、バシッ! シューズが床をつかむ音、ラケットがシャトルを捉える音が、筆文字で「覚悟」とある大きな部旗が掲げられた体育館に響く。筋肉をまとった足、鍛えた体幹は軽快なフットワークを生み出し、前後左右に振られたシャトルをしつこく拾い、強力なスマッシュを打ち込む力となる。時折、「よし!」「もう一歩だ!」との士気を鼓舞する声も飛ぶ。気持ちを前面に出しシャトルを追い、ラケットを振り抜く姿は本番さながらだ。顧問の須賀健太郎先生は「今のプレーは本番で使えるのか。常にそう意識して練習に取り組んでいる」と力を込める。「バドミントンは駆け引き」とも言い、「気持ちで負けずに攻めの姿勢を貫き、表情やしぐさなど、繊細な部分の読み合いも勝敗を左右する」。AC長野パルセイロバドミントンクラブで活躍した豊富な経験を部員たちに伝えている。

 文化学園長野中学・高等学校バドミントン部は5月にあった県高校総体団体戦で女子は4連覇を果たし、男子は2位になった強豪だ。女子は準決勝で伝統校の松商学園を3-1で、決勝は大町岳陽を3-0で下した。圧倒的な強さを示したが、須賀先生は「反省点は少なくない。あと2ヵ月間、しっかり修正して北信越大会でいい結果を残し、インターハイにつなげたい」と気を引き締める。女子の稲原美称主将は「先輩たちが築いてきた歴史をつなげて良かった。インターハイでは、団体戦は昨年のベスト16以上を目指す」とキッパリ。県大会2位となったシングルスでも、サウスポーから繰り出す力強いショットで一戦必勝、全国の舞台で爪痕を残す覚悟だ。

 男子は、「打倒・長商」を合言葉に練習を積んできたが、県総体7連覇中の常勝軍団の壁は高かった。決勝でその長野商業に3-0で敗れた。インターハイ出場は逃したが、悔しがってばかりもいない。吉瀨天優主将を中心に8人の部員は、「北信越大会では団体戦ベスト4入りを」と、次を見据える。

 私立の強豪校だけに「高いレベルで」と県内外から門をたたく部員も多い。個性豊かな面々だが、厳しい練習をともにこなし、下宿生活を送るなど、多くの時間を一緒に過ごすことで絆を深めている。須賀先生は「バドミントンへの意識はもともと高いが、学生生活もただ過ごすのではなく、定めた信念や目標を達成することに集中するよう『覚悟』を持って大切に過ごしてほしい」と話す。


【吉瀬 天優 主将】


【稲原 美称 主将】


【須賀 健太郎 顧問】

取材・撮影/斉藤茂明