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【長野俊英高等学校 卓球部】全国8強の先生の指導の下 「さらなる飛躍」をどん欲に目指す!

「優しいです!」。顧問の湯本晃先生についてこう話した山下光羽主将は、インターハイダブルスベスト8の実績を誇る湯本先生の指導を仰ぐために長野俊英高校に入学した。5月の北信高校総体では団体・個人ともに8強入りし、県大会に出場。県大会の個人戦ではベスト8を逃し悔しい思いをしたが、リベンジとなる10月の北信新人大会では主将としてチームをまとめ、団体戦でベスト4、個人戦では見事優勝を勝ち取った。この結果に湯本先生は「県大会でのさらなる飛躍を求めていきたい」と、成長を感じるとともに気を引き締める。

 現在、部員は2年生2人、1年生2人。山下主将は「少人数だけれど、練習に活気が出るように」と、率先して声かけしている。部活以外でも部員同士で集まることが多く、チームワークは上々だ。高校から卓球を始めた1年生が見事なラケットさばきとフットワークで球に食らい付く姿から、部全体で上達のスピードを後押ししていることが分かる。一方で、練習相手が限られるため、球筋に慣れてしまうなどの「マンネリ化」を心配するが、豊富な練習量で不安を払しょくする。湯本先生も積極的に練習に参加し、打ち合いでは「さがるなよ!」と部員を鼓舞、ラリーで打ち負けない気持ちと技術を鍛える。

 湯本先生は「もう少し元気がほしい」と部員たちに注文をつけるが、「一生懸命練習に取り組み、実力は着実についている」と目を細め、さらに「勝った喜びは自信になる。負けても次のステップへの糧となるよう、常に自分のプレーを主体的に分析できる力を養ってほしい」と話す。

 毎日の練習では当番を決めて「今日の課題」を掲げる。練習後にはその課題が、どういったプロセスで達成できたのか、できなかったのか発表する。分析力とともに人前で話すコミュニケーション力を育てる狙いだ。湯本先生は、「自分で考えることが〝当たり前〟になれば卓球だけでなく、日常での生活態度も変わってくる」。
「得意のバックドライブを安定させて、先生のようにインターハイで活躍できる選手になりたい」と話す山下主将。秋には湯本先生と師弟コンビを組み、全日本卓球選手権の予選を兼ねた長野県選手権に出場する。「大きな舞台を経験して成長してほしい」と湯本先生の期待は大きい。


【湯本 晃先生】


【山下 光羽 主将】

取材・撮影/斉藤茂明