高校スポーツ

【屋代高等学校・附属中学校山岳班】山で出合った景色や経験 心と身体を鍛え、絆を強める

8月上旬、屋代高校山岳班3年生が近くの「桐カフェ」に集まった。男子のインターハイと女子の北信越大会での健闘を祈って、同カフェが招待。勝利を願ってのカツカレーを振る舞った(女子は優秀校に選出)。山岳班がカフェ近くの森将軍塚古墳を練習場にしていたことから交流が生まれ、10月の野外イベントでは班員が同カフェの出店を手伝った。
 文武両道で地域からの期待も大きい屋代高校山岳班だが、メンバーの募集には苦労していた。3年生は登山の魅力を詰め込んだ動画を制作し、新入部員を勧誘。現班長の今井涼(2年)はそんな映像に心を揺さぶられた一人だ。「先輩たちの美しい山岳写真を見て、この光景を見てみたい、登山に打ち込んでみたいと思った」と入班を即決。副班長の山本真子(1年)も「山頂からの絶景に息をのんだ」と、登山未経験ながら入ることを決めた。現在は35人ほどが所属する人気の班になったという。

 「競技登山」は4人1組で行われ、歩行技術や装備、読図などの審査のほか、気象や医療、天気、自然観察の知識審査、テント設営や炊事審査で順位を競う。歩行や装備の審査では、必要な装備を所持してきちんと歩いているかなどをチェックされるため、普段は近くの森将軍塚古墳を約20kgの荷物を背負い登り下りしたり、ボルダリングで課題の体力づくりに励む。校庭ではテント設営や炊事の練習をし、技量を高める。制限時間内に天気や自然を観察しながら、歩くペースを考えるなど体力や柔軟な思考、先を読む判断力が求められる。「必要な知識や、やるべきことが多く大変だけど、だからこそ仲間とやり遂げた末に見る山の景色は最高」と今井。家庭科班と兼班する山本も「山頂での〝山ごはん〟が楽しみ。最近作ったトマトリゾットは絶品だった」とうなずく。

 今季は立山連峰や燕岳などの3000m級前後を含めて10座ほどを踏破。10月の北信高校新人大会では1年生男子が1位を獲得したほか、3位にも男女で入った。オフシーズンは読図や天気図など知識系の勉強や筋トレなどを行い、来季に備える。三石達也顧問は「元気で自由な班員たちだが、やるときはやるメリハリが効いている。将来も登山を続けてほしい」と願う。今井と山本も「山岳班だからこそ出合えた景色や経験は〝人間力〟を育ててくれる。山登りは続けたい」と話す。


山本副班長、今井班長、三石先生


大会などで使う地上天気図や山の概念図、登山計画書

取材/斉藤茂明