地域スポーツ

松本の地で集中強化 選手権へ手応えも CLIMAX杯

高校サッカーのCLIMAX杯第23回松本サマーフェスティバルが8月11日〜14日、松本市かりがねサッカー場など中信地方5会場で開かれた。中信総体の上位4校と県外からの計14チームが4日間の日程で予選リーグと決勝などを行い、決勝は都市大塩尻が第一学院(茨城)を4-0で下して優勝。高橋裕之監督は「今までやってきたことが表現できた。速い展開だったし、パスで相手を崩すことも少しはできたと思う」とうなずいた。

 3日間の予選で各チーム5試合を行って勝ち点で順位を決め、上位4チームが最終日の決勝と3位決定戦に進む方式。コロナ禍に伴う突発的な参加辞退などを視野に入れ、予選はグループ化せずランダムに当たるレギュレーションとした。いずれも30分ハーフ。
 都市大は4勝1敗の予選1位で決勝に進んだ。勝ち点差2で同2位の第一学院は高円宮杯U-18茨城県リーグ1部で、インターハイ全国制覇の明秀日立に唯一黒星をつけている実力校。そのAチームを相手にしながら、都市大が序盤から攻守とも圧倒した。テンポよくボールを繋ぎながら前半に先制すると、後半は鮮やかなミドルを含む3ゴール。守備も集中を切らさず、クリーンシートで快勝した。

 大会は同実行委員会主催。交流大会として始まって33回目を数え、2001年からはカップ戦を交流戦と別建てにして開催している。松本県ケ丘などを率いた元長野県サッカー協会会長・渡辺三郎氏(故人)などが中心となって創設し、松商学園の二村昭平・元監督が長らく実行委員長を歴任。当地では「松フェス」の愛称で定着している。
 県外チームにとっては夏場に冷涼地で対外試合を行う機会となり、地元校にとっては環境を変えずに強豪チームと戦える貴重な場となる。第1回から実行委員を務める都市大の高橋監督は「互いに切磋琢磨できて強化に繋がっている。チームの一体感をつくる意味でもこういう大会は大切」。都市大は2021年のインターハイを最後に全国舞台から遠ざかっており、今秋の選手権県大会で返り咲きを目指す。

 地元校は中信総体でベスト4に入った都市大、松商学園、松本第一、松本国際が出場。県外からは第一学院のほか山梨学院、帝京(東京)、磐田東(静岡)、中京大中京(愛知)などが集った。松商学園の高山剛治監督は「当初は『胸を貸してほしい』という状況だったかもしれないが、今は県外の相手とも十分にやれている。地元はどこが出ても戦えているし、強い相手にも闘志をむき出しにしている」。松商は10年ぶり出場のインターハイで羽黒(山形)に0-1で敗れており、選手権での全国8強をにらむ。

取材・撮影/大枝令