地域スポーツ

【南信Nexus】地域ぐるみで新たな挑戦 初心者ものびのび上達

「楽しく、強くなる」を最大のコンセプトに、U15女子バスケットボールチーム「南信Nexus」が4月に発足した。南信地方5市町村の各中学校と連携して部活動の受け皿となりつつ、初心者のフォローアップ態勢に注力。肩の力を抜いてスキルアップを目指せるチームカラーが人気を集めているといい、現在は20人のメンバーが所属する。

 「初心者歓迎」をうたい、中学から新たにバスケを始める子どもたちに焦点を当てる。メンバーの大半はミニバス経験がなく、「学校で仮入部したら先輩がここへ誘ってくれた」という参加者も。「部活動の縮小で大会出場を断念したり、思うように技術習得ができなかったりする子が指導を受けられる場に」と関真治ヘッドコーチは語る。
 模擬練習やグループワーク、学校の垣根を超えたチームメイトとの出会いを重視。指導はトップダウン式にならないよう心がけ、プレーシーンのケーススタディを実践したり、あえて複雑なメニューに挑ませたりして、選手たちの考える力を伸ばすよう工夫を凝らす。「できなくて悔しい」と奮起させ、向上心をくすぐることが狙いだという。

 のびのび上達できる環境は経験者にも好評だ。「根拠を持って教えてくれるので分かりやすい」と話す3年生の霜鳥ゆずほは、小2でミニバスを始めた経験者。ケガでの離脱もありつつ中学入学後は部活動一本に絞っていたが、勝利に固執せず楽しく取り組む指導方針に惹かれて加入。ミニバス時代のチームメイトだった小松優空と鬼窪彩来を勧誘し、「お互いに刺激し合って成長できる」と笑顔で声をそろえる。

 諏訪市、岡谷市、辰野町、南箕輪村、箕輪町の各中学校と協力態勢を築いている。マンモス校が少なく進学先が分散しやすい地域特性に加え、少子化や地域移行の影響も受ける状況下。「地域にひとつ拠点を作って子どもたちが集まれば、チームとしての指導ができる」と、各校の部活動顧問や指導者たちが協力して発足に至った。

 練習場所には各校の体育館を解放。指導経験のある教諭がコーチとして参加するなど、学校ぐるみの協力態勢によって手厚い指導が可能。今後は大会出場経験を積み、実戦を通してチーム力にも磨きをかけていく。


鬼窪 彩来(おにくぼ さらい)さん、霜鳥(しもとり) ゆずほさん、小松 優空(こまつ ゆうあ)さん


【浦野 誠 代表】
5年前に立ち上がったNexusですが、引き継ぐ指導者がおらず一度は無くなってしまいました。今、再び活動できること、多くの選手に「バスケットをやってよかった!」と思ってもらえることがうれしいです。

取材・撮影/佐藤春香