地域スポーツ

【Attract There’s】親と子がつくる場所 ともに学び成長する

U15男子バスケットボールチーム「Attract There’s」は、大人と子どもがともに成長を目指していく。「大人が一生懸命な姿を見せながら、一緒に学ぶことで情熱も伝えていきたい」と話す御子柴光紀コーチを含め、チーム代表をはじめとするコーチ4名は全員が保護者。身体のくせや動き方などの些細な変化にアプローチできる視点は「親ならでは」だといい、寄り添う姿勢で日々成長を期している。
 コートから出れば、指導者と選手は「親子」の間柄だ。宗村充彦代表は「保護者の協力があってこそのチーム。みんなの協力があるからバスケができるという『感謝』を子どもたちに感じてもらいたい」と、親子の交流機会を重視。オフの日にはバーベキューや親子バスケ大会といったレクリエーションイベントを取り入れ、コミュニケーションを取れる機会を設けているという。
 「県1位」を目標に掲げると同時に、今年度は「リスペクトを持つ」というキーワードを新たに共有した。心身とも変化が顕著な中学年代において「周りを大切に行動してほしい」と御子柴コーチ。「当時の自分も、自分中心の考えしかできていなかった。もしもあの時『リスペクト』を教えてくれる大人がいたら」と思い返すという。「礼儀作法や仲間を大切にする心を学びながら、練習をやり抜いて得られる自信を大切にしてほしい」と力を込める。
 発足のきっかけは2020年度。コロナ禍で第51回全国ミニ大会の中止にともない、県大会も中止。当時6年生だった子どもたちとその保護者はやり場のない気持ちを抱えた。晴れ舞台を奪われてしまった彼らに、もう一度活躍の場をーー。そんな思いが立ち上げに繋がり、2022年3月に始動。6年生だった彼らは今年で中学3年生となり、新たな舞台への挑戦を目指している。
 「Attract(魅了する)」という名をつけたのは、「子どもたちが自然と集まって、特別な時間を過ごせる場所に」と願ってのこと。宗村代表は「ここで過ごした時間が特別なものになってほしい」と目を細め、御子柴コーチも「一瞬で過ぎ去る3年間だとしても、情熱を持って過ごした時間は印象的なドラマになる」と口をそろえる。昨年の第5回県U15選手権は、2回戦で信州ブレイブウォリアーズU15に敗れた。今年はいよいよ最高学年。4年前に機会を失った晴れ舞台へ、親子で足並みをそろえて歩む。


【部長:神木 深之介さん(左)・キャプテン:池田 真聡さん(右)】
神木:みんな明るくて、チームの雰囲気がすごく良い。試合中に声を出してコミュニケーションを取ることが課題なので、盛り上げられる人にもっと入ってほしい。
池田:バーベキューなどのイベントが楽しいし、個性豊かな人がそろっていて、学年に関係なく仲が良い。試合では相手の良いところを探し、リスペクトしていきたい。

取材・撮影/佐藤春香