地域スポーツ

【JBSアピナ塩尻校】マンツーマンで「できた!」を重ね 野球をもっと好きに

「もっと打てるようになりたい」「もっとうまくなって活躍したい」。そんな子どもたちの声に応える野球教室「JBS(ジュニアバッティングスクール)」が、塩尻市など県内5カ所で展開されている。少人数クラスでのマンツーマンレッスンが特徴。野球を始めたばかりの初心者からプロを目指す上級者まで、多様なニーズに合わせて個別指導している。

 その名のとおりバッティングの上達を主目的とし、子どもたち一人一人の「できた!」の積み重ねによる成長を促す。動画撮影したバッティングフォームを本人に見せながら「手首がバットの重さに負けている」「肩をもっと後ろに」など、具体的に一つ一つコーチが解説。その後は実際にバッターボックスで手を添えながらフォームを改善していく。「後ろで見ている保護者さまにも伝わるよう心がけている」という言葉どおり、保護者からも「分かりやすい」との声があがるという。

 「クラブチームでは全員のレベルに合わせた指導が難しい。マンツーマンでそこをカバーし『もっと活躍したい』という気持ちをかなえる場所にしてもらえたら」と、アピナ塩尻校の牟禮和貴コーチ。「スクールで上達して、大会でホームランを打てるようになった子もいる。練習をがんばって『できた!』という感動を体験し、野球をもっと好きになってもらいたい。最初はうまくいかなくても、一つ一つ努力を重ねれば成長できることを実感してほしい」と力を込めた。
 アピナ塩尻校は中南信エリアを広くカバーし、塩尻校だけで約40人のスクール生が在籍。中には遠方からの熱心な参加者もおり、小学6年生の中楯士翔くんは原村から約1時間かけて家族の送迎で通っている。昨年10月の体験入学で「教え方がすごく分かりやすかった」と入校を決め、「ボールが飛ぶようになった」と自信をつけたという。地元の原少年野球で監督を務める父は「昔とは違う方法や、新たな視点での指導は自分たちも勉強になる」とうなずき、母は「すごく上手に教えてくれて、褒めてくれるから子どもたちはうれしいと思う」と見守る。
 小中学生を対象に全国100カ所以上で展開するフランチャイズ型のスクール。塩尻市のほか長野市に2カ所、上田市と佐久市に各1カ所の拠点を持つ。JBSではこのほか「ジュニアベースボールチャレンジシリーズ」という独自の大会を開催し、毎年選抜メンバーで都道府県対抗トーナメントを実施。2023年は長野県チームが準優勝と躍進を見せ、子どもたちのモチベーションのひとつになっている。


【牟禮和貴コーチ】

取材・撮影/佐藤春香