地域スポーツ

普及にも尽力! 松商学園高校女子サッカー部

「長野県のチャンピオンは当たり前」。松商学園女子サッカー部の梨子田幸治監督は、そう語気を強めた。昨季は総体、皇后杯、選手権でいずれも県準優勝。3度の悔し涙を飲んだ。それでも新チームで迎えた新人戦を制し、「3年生が抜けてから時間がない中でも、結果が残せたのはよかった」と自信を取り戻した
 昨季は10番の米澤心花主将が異彩を放っていた。キャプテンマークを引き継いだ中山美藍(2年)は、「心花さんみたいに引っ張れるかは不安」と胸中を明かす。中学時代は神奈川県の大和シルフィードU-15でプレー。大役を任されたのは、数少ない県外出身選手としての期待の表れでもあるだろう。
 今季のチームについては、「上下関係があまりなくて、賑やかで楽しい」と話す。その言葉通り、グラウンドには笑い声が絶えない。その明るさに対して指揮官は時に苦笑いを浮かべながらも、「今年はポゼッションもカウンターも行けるし、去年の代よりも走れる。理想としているサッカーに近い」と、実力も申し分ないようだ。



 また、梨子田監督は小学生を対象とした「松商学園サッカーアカデミー」も運営。現在はコロナ禍で活動を休止しているが、本来であれば週に1回のペースで指導に励む。「4種(小学生)は女子単独のチームもあるが、男子ばかりのところに入らざるを得ない子も多い。なかなか始めるきっかけが少ない」と2016年に立ち上げ、小さな芽を育ててきた。
 チームにはアカデミーで育った選手も多数在籍。その一人である上嶋まど花(1年)は、「小学校の時は、アカデミーで松商の高校生たちと練習していた。中学でも妹がアカデミーに入っていたので、そこについていって梨子田さんに教えてもらっていた」と振り返る。
女子サッカーの普及をチームの底上げにも繋げ、狙うは王座奪還だ。それだけでなく「北信越大会に行って、去年大敗した開志(学園JSC、新潟)にも勝ちたい」と中山。春には新1年生を迎え、一丸となって忘れ物を取りに行く。

キャプテン 中山 美藍さん(2年)

小学校のチームの先輩から「松商はいいチームだよ!」と言われて来ました。新人戦では優勝できましたが、まだまだ足りないところがありました。キャプテンとしてなるべく声を出して、チームを支えていきたいです。

監督 梨子田 幸治監督

アカデミーで関わった子どもたちが帰ってくると、私がやりたいことを知っていますし、チームにすぐフィットしてくれます。まずは新チームで新人戦を優勝できたので、次は総体と選手権でタイトルを奪還したいです。

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取材・撮影/田中紘夢