地域スポーツ

思い出詰まった陸上競技場で走り納め 「ナイター運動会」開催!

9月24日、松本平広域公園陸上競技場にナイター照明が灯った。台風15号が太平洋側に近づき前日から雨の止まない松本平だったが、しばしの止み間に陸上競技場を走り納める「ナイター運動会」が開催された。安曇野市内の整骨院併設トレーニングジム・ZERO(ゼロ)が主催。子どもから70代まで、一般参加者も含めて老若男女100人以上が夜の大運動会を楽しんだ。

 松本平広域公園陸上競技場は、2028(令和10)年の国民スポーツ大会(国体)と全国障害者スポーツ大会に向けて建て替え工事に入る。ZEROの代表・丸山主税(ちから)さん始め、陸上競技に携わってきた多くの人の聖地となっている競技場で「ラストラン」をしたいと、思いのあるメンバーが集まった。
 運動会は、親子100m走、大人による100m、400mウォーク、1000m走などのトラック種目以外にも、幅跳びやボール投げのフィールド種目も。まさに運動会のような競技内容となった。

 さらに今回の運動会ではロンドン・リオデジャネイロのパラリンピックに連続出場した樋口政幸さん、北京五輪400mリレー銀メダリストの塚原直貴さん、信州ガールズレスラーのLINDA(リンダ)さん、マスターズ陸上女子三段跳び年代別世界記録保持者の大日向暁子さんら各界から豪華ゲストも参加した。100mのゴール位置では塚原さんによる走り方のワンポイントアドバイスが行われるなど、贅沢なひとときとなった。

 同運動会は、ZEROのトレーナーで30km競歩日本記録保持者の原義美さんの提案によって始まった。お互いに陸上競技に汗を流し、研鑽を積んできたことから実現したこの企画。丸山代表は後に「思い出の場所でラストランをしたいからスタートした。人の繋がりの尊さをここまで感じる事が出来るとは思わなかった。スタートラインに立つと、自然とあの頃を思い出しワクワクした。皆様の笑顔が溢れる時間となり天候も心配されたが、なんとか無事最後まで競技を終える事が出来た事は本当に有り難かった。オリンピック選手、パラリンピック選手、松本の競技場で活躍した人達など、思い出深い人達が集まる約2時間半だった」と語っている。

 1977年9月に開場した松本平広域公園陸上競技場は一度姿を消し、2025年度に新しい姿で生まれ変わる。

取材・撮影/生田和徳