地域スポーツ

【STEP】プラスアルファの個人指導を バスケがうまくなりたい人、集まれ!

プログラミングや数学・英語学習などで、個人・少人数制の指導を行うSTEP。中でも、代表でパーソナルトレーナーを務める山脇一洋さんが強い思い入れを持って取り組んでいるのが、小中学生を対象に長野市内で行うバスケットボール教室だ。
 自身の経験が基になっている。12歳から20歳まで部活動でバスケットボールに打ち込んだが、レギュラーにはなれなかったという。コートに立つ選手と自身の差を考えた末に、ある思いにたどりついた。
 「部活でみんなと同じ練習をしていたら、その差は埋まらない。部活やミニバスチームの外で特別な指導を受ける必要がある。その場がなければ自分が作ろう」。それからはプレーをしながら、試合を見ながら、「自分がコーチだったらどう教えるか」を常にイメージしながらコーチングスキルを磨いてきた。
 ランニングやダッシュなどは各自の所属チームに任せる領域に位置付ける。教室ではシュートフオームや手首の使い方などの基礎から、レッグスルー(股下)ドリブル、フィンガーロールシュートなど、高度で見栄えのするプレーも教えて子どもたちの興味を引きつける。「シュート姿勢はお尻を突き出して」、「ボールの軌道は高く、円を描くように」とアドバイスを受けた子どもたちは何度もネットを揺らすようになった。
 「ミニバスをやっているけど、ダッシュが苦手。先生は基礎と楽しいプレーをちゃんと教えてくれるので、うまくなっていくのがうれしい」と、3回目の参加となる女子選手は白い歯を見せた。
 「上達すれば楽しくなる。そのためには質の高い練習を、個人・少人数制で教えて、Bチームの子が、Aチームで活躍できるように引き上げていきたい」と山脇さん。教室は1回6人までの予約制。「初心者からエース級まで、楽しくのびのびと参加してほしい」と、子どもたちの個性に合わせた練習や雰囲気づくりを大切にしている。参加者のレベルは千差万別。山脇さんは「できると思ってチャレンジしてほしい」とエールを送る。
 2023年1月に立ち上げ、長野市の子どもの学びを応援する「みらいハッ!ケン」プロジェクトに参画すると、山脇さんの思いに賛同した親子が口コミなどで集まり、1年で登録者は100人ほどに膨らんだ。月・木曜日は三輪小学校、日曜日は芹田小学校(ともに長野市)、そのほか随時、長野市内各所で行っている。

山脇 一洋 代表

取材・撮影/斉藤茂明