地域スポーツ

【野村ボンバーズ】一歩ずつレベルアップし 今季の飛躍を狙う

掲げた目標をクリアし、着実に階段を上ってきた。塩尻市で活動する少年軟式野球の野村ボンバーズは、2年前に「塩尻ナンバー1」を掲げて昨季に達成。さらに昨季は中信地区の大会でも3位と好成績を残すようにもなり、中山清監督は「目標を受け継いだ後輩たちが徐々に結果を残しつつあるのが現状。今年は松本市の大会でも優勝したい」と成長への手応えを口にする。
 昨年9月。第34回中日新聞社旗争奪中信地区大会で、3チームによる決勝リーグに進出した。しかし優勝した山形キヨミズには0ー9と5回コールドで敗れ、明善少年野球には4ー5と惜敗。3位でメダルをもらって自信とした半面、新たに課題も見つかって向上心に火がついた。
 小松愛翔主将は「1〜2位のチームにはいい球を投げる投手がいて、ホームランを打つ選手もいた。勝つためにはそういう選手が必要。チーム力を上げるのと同時に、個人の技術も高めなければいけない」と意気込む。副主将の山下嶺生もその大会を通じ、「どんな試合であっても最後まで諦めず、声を出し続けるチームにしていきたい。自分が率先して行うことで、チーム全体を巻き込めたら」との思いを強めるようになった。
 世代が切り替わった後の9人の新6年生が軸となる。ただ、切り替わってからの新人戦は優勝を逃した。「原因はチームが一丸となり切れていなかったこと。9人という大人数だからこそ、彼らのチームワークが全体にも影響する。まずは新6年生がキャプテンを中心にひとつになることが重要」と中山監督は話す。
 それを乗り越えて次なるステップに進むには、果たして何が必要か――。指揮官にはその道筋が見えている。「負けている時に何とか乗り込えようとする強い気持ちが必要。どんなに大差がついても、ゲームセットまではあきらめない。監督やコーチだけがいくら声を上げても意味がない。自分たちで考えて、タイムを取ったり声を掛け合ったりできるチームになってほしい」と、選手たち自身のエネルギーに期待する。
 2月上旬、片丘小の体育館に集まる20人余の選手たち。先輩からバトンを受け継ぎ、本格的な球春到来に向けて基礎トレーニングに打ち込んでいた。寒さを微塵も感じさせないはつらつとした掛け声には、選手たちの活気が表れている。「新6年生に負けず、後輩たちがいかにレギュラーメンバーに食い込むかも大きなカギ」と中山監督。新たなステージを見据え、まずは4月の塩尻大会連盟杯に照準を合わせる。


中山 清 監督
「先週よりも今週の方が上達する」という気持ちで、1人の力が1%でも2%でも上がれば、チーム全体では大きな力になる。言われたからやるのではなく、自分で考え行動できる選手を目指し、練習に励んでほしい。


小松 愛翔 主将
野球を始めたきっかけは、小さい頃からお父さんが一緒に野球の練習をしてくれたこと。チームで勝利の喜びを分かち合えた時に楽しさを実感します。昨季は松本の大会で3位だったので、今季は優勝が目標です。


山下 嶺生 副主将
野球をしていて楽しいと思うのは、自分がチームに貢献して勝てた時です。昨季は、松本の大会でメダルをもらえたことが大きな自信になりました。今季はどんな時もあきらめず、優勝を目指して頑張りたいです。

取材・撮影/児玉さつき