地域スポーツ

【S.B.C.】「本気」で実力向上を目指す 誰もが成長できる場所に

「本気で成長したい」。その思いさえあれば誰もが歓迎される。松本市を拠点に昨年発足したバスケットボールクラブS.B.C.は、着実に仲間を増やしながら今月で1周年を迎える。「子どもたちにバスケットボールの楽しさを伝え、人間性の成長を目指す」という理念のもと、初心者から実力者までが幅広く集う。

 指導は夫の篠田隆史コーチ、妻の篠田悠里絵コーチの夫妻で行っている「全国のトップコーチやプロの選手から学んだバスケットを選手たちに伝えたい」と隆史コーチは熱く語る。小学5年生から中学3年生を対象に、未経験者も積極的に受け入れる。勝利至上主義とは一線を画し、全ての子どもたちが秘めた可能性を伸ばすことに注力。「一人一人の可能性を信じているというメッセージが伝わるように、選手とコミュニケーションをとることを意識している」と、悠里絵コーチは常に子どもたちに寄り添う姿勢を心がける。「技術も実績も関係なく『バスケットをもっとやりたい』と思う子たちが集まっている」とほほえんだ。

 「身長も男女も能力も関係なく、皆が全力で楽しめる」と話すのは、中学2年生の塩川樹。「コーチたちのもとで教わると『なぜその練習をするのか』という根拠が分かる。毎日新しい経験ができる」とコーチの指導力の高さを語る。また、「体育館のゴミ拾いを自然にやるなど、良い人が集まっている」と、メンバーの人間性も魅力に挙げる。
 小4からバスケットボールをはじめ、現在中学3年生の村上夕夏は「コーチたちがしっかりサポートしてくれて、メンバーも良い人たちばかり」と笑顔を見せる。「コーチは怒ると怖いけど、正しいことを言っているので納得できる。中学生最後の年なので、夏の遠征でもう一歩成長するためにがんばりたい」と、生き生きと語る。

 発足の経緯は4年前、悠里絵コーチが菅野中に教員として赴任の際に「部活動以外に、所属チームに関係なく、子どもたちがバスケットのできる環境をつくりたい」という願いから。参加者の増加と部活動地域移行の流れを汲み、2022年8月に正式にクラブチームとして本格始動した。チーム名は「S.Basketball.Club」の頭文字。「S」には「Shine」「Success」「Shinshu」「Shinoda」の4つの意味が込められている。
 今後はさまざまな大会にも出場して経験値を積んでいく。初参加となる大会は日本最大級のバスケットボールの祭典「SHOWDOWN」(8月15~17日、茨城県)。同日程で現地の他チームとの練習試合も予定しており、実力に磨きをかける。


【塩川 樹くん】
練習がつらくても、勝って仲間と一緒に喜びあったり、負けて一緒に悔しがったりしていると「やっていてよかった」と思います。将来は憧れの信州ブレイブウォリアーズに入りたいです!


【村上 夕夏さん】
皆が元気いっぱいで、声をかけ合ってサポートし合えます。このチームに来てからコミュニケーションをたくさん取るようになりました。高校生になってもバスケを続けます!


【篠田 隆史 コーチ】


【篠田 悠里絵 コーチ】

お問い合わせ→S.B.C.

取材・撮影/佐藤春香