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【FCファディカーレ】諦めない心を培う 確かな技術向上の礎に

確かな技術と諦めない心で勝利を狙う。明科地区を拠点とするU-15サッカーチーム「FCファディカーレ」は、きめ細かな指導と粘り強い練習により個々の実力向上を目指せる、隠れた名門だ。少子化の影響もあり昨年は総メンバー数8名と人数不足に泣かされたが、本年は新たに8名の中学1年生と2名の小学6年生を迎え、総勢17名で再起を誓う。

 17年前に創設し、第1期は高円宮杯U-15中信2部リーグに所属。人数不足にあえいだ昨今は3部リーグに甘んじるも、OBには松本深志、豊科、松本工業でキャプテンを任される者や、松本国際、都市大塩尻、松本県ヶ丘にて主力として活躍する実力者を輩出。「高校に進学してからも練習に来て『ファディカーレがあったから結果を残せました』と言ってくれる子が多い」と、隠岐裕斗助監督はほほえむ。本年から就任したという指揮官自身も1期生のひとりで、チームへの愛着からコーチとして復帰し3年間指導した。

 分かりやすい指導のためには、「子どもたちの理解力に合わせてどれだけ簡潔に、丁寧に教えられるか」と隠岐助監督。懇切丁寧かつ的確な指導により個々の能力が高まり、どのチームに行っても通用する地力が育っていく。コーチ達はグラウンドに膝をつき、ボールと子どもの足に触れながらキックの角度を教える。簡潔な言葉選びと実演を交えた指導を「根拠を示されるので納得感がある。足のどこに当てて、どう振り抜くか、など具体的に教えてもらった」と話すのは、キャプテンの宮下侑來くん。FWとして得点力を鍛える中で、「シュートの力強さが増した」と自身の成長を感じている。

 きめ細かなテクニックを教えつつ、一番学んでほしいのは「諦めない気持ち」と隠岐助監督は力を込める。「試合も、人生も、何ごとも諦めずに自分の力で掴みとってほしい。逃げない気持ちを養うため、学校も遊びも、全部を全力でやり通すよう指導している」。できないことはできるようになるまで取り組み、集中力を欠けば走り込みやサーキットトレーニングなど「きつい」練習をはさむ。汗をぬぐいつつ、「厳しい指導は自分たちを勝たせるため」と宮下キャプテンは笑顔を見せる。

 テクニカルなプレーの上達と、培われる根性を武器に、今季こそは2部昇格を目指す。「上級生が少ない今だからこそ、下級生も経験を積める。これからどう伸びるか楽しみ」と隠岐助監督は目を細める。新規メンバーも随時募集中。見学・体験申し込みはお問い合わせ先まで。


【隠岐 裕斗 助監督】
教え子が高校や全国大会で活躍しているのを見ると、指導してよかったなと思います。来年はクラブ登録ができるので、クラブ選手権でアルウィンのピッチに立ってみたいですね。


【宮下 侑來 キャプテン】
一昨年のリーグ戦で、相手チーム11人に対して8人で勝ったことは忘れられません。今年はキャプテンとして、試合中の雰囲気づくりや、得点に絡んでチームを勝ちに導くプレーをしたいです。

取材・撮影/佐藤春香