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【2023年度 松本大学スポーツ健康学科 卒業研究発表会】4年間の学びの集大成 2023年度スポーツ健康学科卒業研究発表会を開催

2007年人間健康学部設置の翌年から毎年行われているスポーツ健康学科の「卒業研究発表会」。2023年度は12月24日に開催され、前半は大講義室での口頭発表、後半は個別に研究内容を解説するポスター発表という形式で行われた。
 各ゼミナールの代表学生14名が登壇した口頭発表では、聴講者が理解しやすいよう、言葉による説明と同時に、グラフや動画といった研究資料がモニターに映し出されていた。発表者の一人、松本裕二朗さんは「運動が恐怖症の発症に及ぼす影響について」をテーマとし、現在世間でも認知され始めている精神疾患の一つである恐怖症の発症予防として、アンケート調査の結果から運動が効果的であるかどうかについての考察、結論などを解説した。その後も、坪内宏斗さんの「中学生の視力低下の要因分析」や、奥野有沙さんの「“じゃんけん”に関する心理学的考察」といった興味深い研究テーマが続いた。発表後に設けられた質疑応答の時間には、「以前は教員が質問しなければならなかったが、最近では学生が積極的に質問する文化が確立してきている」と学科長の齊藤茂准教授の言葉通り、聴講していた多くの学生たちが手を挙げ、活発な質疑応答が繰り広げられた。
 口頭発表終了後のポスター発表では、教室内に置かれたパーテーションに資料を掲示し、質疑応答を交えつつ4年生が個別に研究内容を解説。口頭発表と同様に熱心に耳を傾ける学生たちのなかには後輩の姿も。卒業研究発表会は来年度研究を行う3年生にとってはもちろん、2年生にとってもゼミ選びの参考になる貴重な機会になっているという。
 スポーツ健康学科では一人1テーマを基本に卒業研究を行う。齊藤学科長は「学生が自分でテーマを決めることが重要。内容も大事だが、それ以上に研究テーマに集中して一生懸命に取り組む姿勢が大切」と話す。さらに、「研究結果をまとめるためには、アンケート調査の集計結果をグラフにしたり、集めたデータを統計的に分析し有意差の有無を判断したりと、実践的な力が必要。研究発表に向け、大学で学んだ知識を活用することにより、社会で役立つ実践的なスキルを習得することができる」と続ける。学生たちが4年間で培った知識や技術を実践で活かす卒業研究は、大学で培った学びの集大成というだけでなく、社会へ出るための第一歩としても重要な役割を担っている。

取材・撮影/児玉さつき