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【神明コンドルズ】強みは練習で培った技術と自信 少人数ゆえの豊富な経験値

「練習に勝るものはない」と、朝からトレーニングに励む「神明コンドルズ」のメンバーたち。主に土・日曜、祝日に活動し、以前は半日だった練習時間を1日へ延長したのは約4年前。その成果は如実に表れ、長野県学童軟式野球選手権春季大会では2020年から2年連続3位となり、昨年は県学童軟式野球選手権秋季大会で準優勝。そして今年、諏訪の甲子園ともいわれる諏訪湖少年野球選手権大会・高学年の部に出場し、全17チームの頂点に輝いた。

 「神明コンドルズ」は岡谷市立神明小学校を母体とし、チームOBの伊藤洋一監督と、小山裕次郎コーチ、荻原雄司コーチの3名が指導にあたる。「練習でできないことは実践でもできない。勝ちにこだわり、真剣に練習に取り組むことが強いメンタルにもつながる」。肩慣らしと思いがちなキャッチボールも基本をおろそかにせず、体の正面でボールを受けるように声を掛けながら、各練習メニューを丁寧に進めていく。メンバーは総勢18名。「人数不足が悩みである反面、強みにもなっている」と小山コーチ。人数が多いチームは、6年生でレギュラーメンバーを構成し、翌シーズンにはほぼ全員が入れ替わる。しかし神明コンドルズは、今シーズンの主力となる6年生は5人。そのため、必然的に5年生以下もレギュラーメンバーとして試合に出場し、実戦を経験する。その経験が自信になり、スキルやメンタル面の向上を翌シーズンに活かすことができる。実際に諏訪湖少年野球選手権大会決勝で5回・6回とマウンドに立った5年生の伊藤泰雅くんは、「決勝戦という大きな舞台で緊張したけれど、0点に抑えることができて自信がついた」と話す。

 毎シーズン、選手が決めた目標を指導者も含めチーム一丸となって目指す「神明コンドルズ」。今シーズン掲げた目標は「県大会優勝」。県学童軟式野球選手権秋季大会では南信地区予選の決勝で敗れ、県大会出場は叶わなかった。しかし前述のとおり、諏訪湖少年野球選手権大会・高学年の部で優勝を果たした。1回裏に相手に先制され、1点を追う形となった決勝戦。3回表に二塁打で出塁した濱楓也くんが荻原丈瑠くんのヒットで生還。5回表に1点を追加して2対1で勝利した。その経験から、主将としてチームを引っ張ってきた濱楓也くんは「1点を守り、チャンスを活かして確実に1点を取る。1点の重みを実感した」。同じように貴重な経験をした5年生のメンバーたち。来シーズンからチームを牽引することになる彼らの目標は、「県大会を制覇して、全国大会に出場する」。今シーズンも残り半年を切った。前を進む6年生の背中を負いながら、懸命に汗を流す。


【濱 楓也くん】
4年生の時にCチームの主将をつとめ、6年生でも主将に志願しました。シーズンを通して学んだことは、チームをまとめることの大切さです。中学生でも野球を続け、チームに貢献できる選手を目指します。


【伊藤 泰雅くん】
お兄ちゃんが野球をしていたことが野球を始めたきっかけです。楽しいと感じるのは、試合でヒットを打てた時です。来年は6年生になるので、もっと声を出してチームを引っ張っていきたいと思います。

取材・撮影/児玉さつき