地域スポーツ

【ユニサイクルチーム・ポリクローム】一輪車で華麗な演技 4年ぶりの芸術館へ

4年ぶりの大舞台に向けて準備を万端に整えている。松本市を中心に活動するユニサイクル(一輪車)チーム・ポリクローム。小学生から社会人まで幅広い年代が集い、音楽に合わせて芸術性の高い演技を作り上げる。12月11日(日)には、まつもと市民芸術館で「新シェヘラザードの誘い Vol.9」を開催予定。田村明友美主将は「一人でも多くの方の心に届く演技ができれば」と話している。

 1993年に山辺児童センターで「ミニミニサーカス団」として始動し、1998年にポリクローム(polychrome)と改名。多色を意味する英語で、「一人ひとりが輝くチームに」という願いが込められている。各種大会に出場しつつ、B1リーグ・信州ブレイブウォリアーズのハーフタイムショーを務めるなど、競技と演技の二面性を併せ持つ。
 チームの二大目標は、全日本一輪車競技大会と舞台発表会だ。8月に群馬県・高崎アリーナで行われた全日本一輪車競技大会では、グループ演技部門に出場。中高生6人で臨んだが、上位入賞とはならなかった。「いつもよりメンバーが少なかったり、練習があまりできていなかったりして、不安は大きかった」と田村主将。コロナなどの影響もあり、準備段階から苦戦を強いられた。
 現在は12月の舞台発表会に向けて準備を進めている。2006年から隔年で開催している「新シェヘラザードの誘い」は、イスラム世界の説話集「千夜一夜物語」をモチーフとしたプログラム。2018年はまつもと市民芸術館に700人の観客が駆けつけた。020年はコロナの影響を受けて松本市内の体育館で開催。観客は関係者のみだった。


 今年は4年ぶりにまつもと市民芸術館での有観客開催を迎えるが、平坦な道のりではなかった。「以前に比べてメンバーが少ないが、それでも発表会をやるための予算はあまり変わらない。むしろ一人ひとりの負担が大きい部分もある」と田村美嘉・実行委員長。8月からクラウドファンディングで支援を募り、ようやく開催にこぎつけた。当日は現役メンバーに加え、OGも駆けつけて演技を披露する。
 「みんなで一生懸命取り組んでいるので、その成果を発揮しつつ、私たちが伝えたい思いを一人ひとりに届けられれば」と田村主将は言う。技術はもちろんだが、音楽や衣装、表情など見どころはさまざま。来年には創立30周年を控えており、「まずは芸術館で成功を収めたい」と強く意気込んだ。

■矢花 瑞希 指導者兼任
第1回の舞台発表会を見て、小学1年生からチームに入りました。第2回からは継続して出演しています。見ている方に感動や元気、勇気を届けられる舞台にしたいです!

■田村明友美 主将
小学1年から一輪車を始めました。最初は乗るだけでも一苦労ですが、『続けたらこれだけできるんだよ』という努力の成果を見せて、多くの方を勇気付けたいです!

取材・撮影/田中紘夢