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【松商学園高校硬式野球部】今秋の北信越高校野球大会で4強 新生松商が来夏の甲子園を目指す

今秋の第147回北信越地区高校野球大会で4強入りした松商学園高校硬式野球部。春のセンバツ出場につながる大会で、あと1勝で夢の甲子園の舞台に近づくところまで駒を進めたものの、準決勝で敦賀気比(福井)の壁に阻まれた。新チームが始動し、中信予選、県大会と公式戦で負け知らずのチームだったが、大一番で黒星を喫した。ただ、新たな取り組みを始めた中で、それがしっかりと結果に結びついての北信越4強。選手、指導者ともに一定の手応えを感じつつ、来夏の甲子園出場を目指して冬のトレーニングに突入する。
 今夏の全国高校野球選手権長野大会後、指導者も含め、まさに新たなチームの船出を切った。足立修・前監督に代わり、長年、部長を務めた松宗勝監督(43)が就任。松商学園の過去3人の監督の野球を肌で学んできた若き指揮官の下、2年生27人、1年生29人の計56人による「新生松商野球部」がスタートを切った。松宗監督は「勉強させてもらった。受け継ぎながら、ベンチ外のメンバーも含めて全員がチームのために何ができるか考えられるチームにしていきたい」と見据える。


 チームのモットーとして「心の野球」を掲げる。技術はもちろん大事だが、取り組む姿勢を大切にしていこうという意味だ。「技術練習だけではなく、いろんな環境整備や人との関わり、学校生活をきっちりとして、応援されるチームになることを目指している」と松宗監督。その取り組みの積み重ねが、北信越大会での結果に結びついていると確信し、まだ短期間ではあるが選手の成長を実感する。
 松商学園は甲子園に春16回、夏37回出場する全国屈指の伝統校。長い年月を掛けて受け継がれてきたものが強さの土台となっている。一方で、時代の移り変わりとともに変化が求められるのが現代ともいえる。県内を見れば強豪私立がひしめき、夏の連覇が難しい群雄割拠の状態。そんな時代で抜きんでるには、伝統を継承しつつも「いろんなことにチャレンジしていかなければ」と指揮官は語る。「やらされる野球」ではなく「自らが考えて動ける野球」の追求だ。
 「好きな野球をやっているのだから明るく楽しく」が松宗監督の信念。純粋に一球に対して全力で挑むことが「楽しむ」の解釈とする。周囲から勝利を求められるのは松商学園の宿命で、それは百も承知。その上で、全国の強豪校に肩を並べるべく「チーム力を高めていきたい」と見据える。まずは来夏の甲子園、そして常勝チームを目指す。

■前田 優空 主将
チームの雰囲気を大事にしています。全力疾走を徹底して、苦しい展開でもはね返すことができるように、いつでも元気よく、どんな場面でも心が折れない粘り強さがあります。目標はまずは甲子園出場ですが、日本一を目指して頑張っています。

■松宗 勝 監督
全国の強いチームに対抗するため、チーム力を高めて戦っていきたいです。コンスタントに北信越上位、甲子園という形をつくっていくことができれば。冬のトレーニングも新しい取り組みを始めたので、モチベーションを高く頑張っていきたいです。