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【バスケットボールスクールSignpost】元トップ選手が指導 言葉とプレーで伝える

元トップリーグ選手が子どもたちの道標(みちしるべ)となっている。佐久市と上田市を拠点に活動するバスケットボールスクール「Signpost」。女子日本リーグ・Wリーグの山梨クィーンビーズで活躍した横井美沙氏が代表を務める。
 横井代表は佐久長聖高校から長野大学を卒業後、社会人チームなどを経て山梨クィーンビーズに加入。主将を務めるなど中心選手として活躍し、2018年には女子日本代表候補にも選ばれた。2019-20シーズン限りで第一線を退くと、地元に帰還してSignpostを結成。日本語で「道標」を意味し、「子どもたちが目標を達成するための道を示す」という思いが込められている。

 トップレベルでプレーしながら指導者の資格を取得し、地元で経験値を還元しようと模索していた。大学卒業後は主に関東でプレーを続けてきたが、「長野県にはミニバスのチームはあっても、スキルアップのためのスクールが少ない印象があった」と振り返る。
 スクールは小学1年〜中学3年を対象としている。未経験者と初心者が中心のスタートアップクラスと、より実践的な技術が学べる「ステップアップクラス」を併設。いずれも競技を楽しむ根幹は変わらないが、「スタートアップの子たちは自由にやりながら、少しずつできることを増やしている。ステップアップの子たちは試合で使えるスキルや、普段は教えてもらえないようなことを教えている」という。


 中込小の6年・篠澤楓は、友人に誘われて昨年から通い始めた。横井代表の指導を受けて「優しく教えてくれて分かりやすい。ドリブルの技術の知識が広がって、それがミニバスにも生かせている」と声を弾ませる。元プロ選手のデモンストレーションを間近で見て、日頃から「うまい」と感嘆しているという。
 横井代表は現在、社会人チームにも所属している。今後については「選手としての活動が落ち着いたら、ミニバスやU-15のチームも作って大会にも参戦したい」と方針を明かす。スクール以外にも3×3のチームやマンツーマン指導を展開しており、すでに競技の輪が広がりつつある。
 「子どもたちに高望みをするつもりはなく、ただただバスケを好きでいてほしいというのが一番。楽しめなかったら伸びないと思うので、楽しむ中でスキルアップしてほしい」。その楽しさを言葉だけでなく、実際にプレーして教えられるのも大きな強み。トップレベルで得た経験値を還元すべく、まだまだ道は続いていく。

■篠澤 楓(中込小6年)
友達に勧められて去年から入って、楽しくプレーしています。今はガードでプレーしていて、中学生になっても自分のポジションで役割を果たせる選手になりたいです!

■横井 美沙 代表
ミニバスの全体練習では補いきれない個の部分を伸ばしていきたいと考えています。県外に出て学べたこともたくさんあるので、それを子どもたちに還元していきたいです!

【お問い合わせ】
signpost.road23@gmail.com
080-2378-8363(横井)

取材・撮影/田中紘夢