試合の緊張感がたまらない!東京パラのボッチャの熱戦に注目してほしい
ボッチャのルールは簡単に説明するとこうだ。赤と青のボール6球ずつを投げ合い、白の的玉により近づけた方が勝ちとなる。脳性まひや手足の機能障がいがある人のために考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目となり一躍注目された。
このボッチャに夢中なのが、双子の相澤悠一郎さん(写真左)と啓一郎さん兄弟だ。大学時代ボート選手だった父親の秀明さんが、2人が小さかった頃から野球やサッカー、バスケットボール…などの試合観戦に連れて行ったことから、スポーツ好きになった。長野県障がい者スポーツ協会などの体験会へ参加を重ね、スキーや水泳、車いすバスケ、乗馬…といった様々なスポーツに挑戦、その中の一つにボッチャがあった。障がい者スポーツとして誕生したが、老若男女、障がいの有無にかかわらず一緒に勝負できることは新鮮で、楽しかった。
「いろいろなスポーツにチャレンジしてきましたが、ボッチャの試合での緊張感はハンパない! あの雰囲気がたまらない」と、2人は顔を見合わす。6年前から本格的に大会出場を始め、兄の悠一郎さんは2019年の全国大会で初出場ながら5位に入った。この年、未来の有力選手を発掘する「J-スタープロジェクト」の2期生に選出され、1年間の合宿を経験、「パリのパラリンピックも視野に入れていきたい」と話すほど成長を遂げた。弟の啓一郎さんも「J-スタープロジェクトの選考会への参加を目指し、それをステップにレベルアップしたい」と力を込める。秀明さんと母親の七子さんも「真剣勝負の舞台というのは貴重な体験。2人が活躍する姿を見るのはうれしいし、何より楽しそうなのがいいです」と、全面的にサポートする。
ボッチャの魅力で2人が口を揃えるのが「誰でもできる」ことだ。「小学生でも、年配の方でも、障がいがあってもなくても楽しめます」。大会で競うことはないが、イベントなどでは健常者と投げ合うこともあるそうだ。今年の夏には東京パラリンピックの開催が予定されている。「ボッチャに注目してほしい。高度な戦略性、対戦相手との駆け引きを解説者が説明してくれるので、誰もがきっとそのおもしろさにハマると思います」。
相澤悠一郎さん、啓一郎さん
長野市在住
悠一郎さんは「BC1」、啓一郎さんはより障がいの重い「BC3」のクラスで活躍する。平日は別々の作業所に通い、土日には一緒にトレーニングに励む。スポーツ観戦も大好きで、野球、サッカー、バスケットボール観戦にはよく出かける。