近年のダンスブームを追い風にしながら盛り上がりを見せている。長野清泉女学院高等学校ダンス部は文化祭に照準を合わせながら、地域のイベントにも出演。未経験者が多い中、部員たちが力を合わせて日々スキルアップに励んでいる。
2012年、当時2年生の生徒によってダンス同好会が立ち上げられた。2015年には北村眞紀教諭が顧問となり、部活動として認定。現在は3年生が引退し、20人ほどで活動している。
高校生のダンスと言えば、日本高校選手権(通称ダンス甲子園、DANCE STADIUM)が有名。しかし長野清泉では「大会などで競うよりも、自分たちでやりたいダンスをしている」と北村顧問は言う。最大の目標は清泉祭(文化祭)でのパフォーマンス。一般公開に先駆けて行われる校内祭では、クラス対抗パフォーマンスとしてダンスが披露される。各クラスが趣向を凝らしたダンスを構成し、北村顧問は「すごく完成度が高くて面白い」。山岸美乃里部長も「女子校というのもあって、一人ひとりが意見を言いやすい」と話す。
生徒は小中学校の体育でダンスを学んだほか、TikTokの流行も受けてダンスが身近にある。校内にも踊る文化が醸成されている中で、より本格的にスキルを磨くのがダンス部だ。チアリーディングやダンス教室の経験者もいるが、その大半は初心者。動画サイトを参考にしながら、J-POP、洋楽、ボーカロイドなど幅広いジャンルを取り入れる。
「学年を超えて仲良く接している」と山岸部長が言うように、練習場には笑顔があふれる。クラシックバレエ出身の山岸部長だが、「例えば首を入れる動きだったら、『のれんをくぐる』というふうにイメージを伝えている」。生徒同士が教え方を模索しながら向き合い、来たるステージに備える。
文化祭だけでなく、善光寺北参道フェスティバルなど地域のイベントにも出演。昨年はフットサルクラブ・ボアルース長野のホームゲームにも出演し、大きなモチベーションとなったという。「また新たな目標ができればぜひやっていきたい。日々そういうことに応えられるように準備できれば」と北村顧問は青写真を描く。
一方で山岸部長は「いまは部員たちの活動だが、いろいろなところを巻き込んで盛り上げられたら」と声を弾ませる。中高一貫の女子校で、中学生からも入部の希望が多い。期待は膨らむばかりだ。
【山岸 美乃里 部長】
【北村 眞紀 顧問】
取材・撮影/田中紘夢