地域スポーツ

【NPIC長野体育指導センター】 競技の一歩手前で 運動の楽しさを伝える

“運動の入り口”として、子どもたちに向き合い続けている。1974年に創設されたNPIC長野体育指導センター。県内各地で幼児から小学生を対象に指導を行うほか、親子向けのイベントなども開催している。
「競技に特化していく一歩手前で、体を動かすのを好きになってもらうことを目的にしている」と指導員の望月俊氏。前転や倒立など体操の技も教えるが、あくまで「体操教室」ではなく「体育教室」として、競技に繋がる動きを取り入れる。幼稚園や保育園に出向いて行う正課体育指導や、幼児・児童を対象とした課外体育教室など形態は幅広い。

 課外体育教室は幼児クラス(年少〜年長)と児童クラス(小学1年生〜6年生)に分かれる。いずれのクラスにも共通するのは元気の良さで、子どもたちは主体性をもって運動に励む。また子どもたちだけでなく「保護者の方々も教室をすごく楽しみにしてくれる」と望月氏。現在はコロナ禍で見学を制限せざるを得ないが、本来であれば保護者も数多く訪れるという。水泳やスキーといった季節ごとのイベントや、親子向けのレクリエーションも人気だ。
 競技に特化した専門クラブも運営している。器械体操クラブの「NPIC体操クラブ」と、サッカークラブの「NPICエレンシア」。J3リーグ・AC長野パルセイロでプレーする小西陽向は、年少から体育教室に通い、小学生になるとNPICエレンシア(サッカークラブ)でサッカーに打ち込んだ。小西のように体育教室を入り口とし、スポーツ少年団や専門クラブに進んだり、あるいは並行して通ったりする児童も数多いようだ。


 スタッフにはさまざまな競技の経験者が揃っている。望月氏は小学校からサッカーに励み、県内の強豪・松商学園高でプレー。現在は体育教室とNPICエレンシアを並行して指導しており、「子どもたちには『体を動かすのが楽しい』と感じる競技を見つけてほしい」と願いを込める。彼をはじめ、NPICのYouTubeチャンネル「じむくんちゃんねる」には個性豊かなスタッフが出演している。

 「幼少期に体の動かし方を学ぶと、ケガの予防になるし、大きくなって体を動かすときに認知・行動ができるようになる。本当に良いことしかない」と望月氏は笑みを浮かべる。子どもの運動不足が問題視されている中で、NPICは今後も子ども達の心と体の健康を支える構えだ。

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HP:http://npic.co.jp/

取材・撮影/田中紘夢