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【松本大学×信州松本ダイナブラックス】スポーツ・サイエンス・スクールを開催~栄養学の視点からキッズアスリートの体力測定~

松本大学運動栄養学研究室(長谷川ゼミ)は7月16日(日)“スポーツ・サイエンス・スクール”を、3人制プロバスケットボールチーム「信州松本ダイナブラックス」の協力のもと、松本市内の体育館で開催した。「トップアスリートも学ぶスポーツ科学を体験し、身近なものに」をテーマに長谷川ゼミの3年生6名がダイナブラックスU-15の選手のほか、当日参加者を含めて12人の小中学生に対し、身体測定や体力測定を実施、子どもたちと笑顔で接した。

測定会では、身長や体重のほか、柔軟性、握力などの基礎体力、ジャンプ測定、ランニング測定を実施。光電管やジャンプマットなど最新の機器を使っての10m走や切り返し走、スクワットジャンプで現在の体力を測った。子どもたちは興味津々で取り組み、競い合う様子もあった。長谷川ゼミでは栄養学の視点からスポーツ現場の状況に応じた適切な食事管理などを研究。測定会を通して「自分の体を知り、測った数値をどう活用するか」といった、データを科学的に分析・活用する意義を提案している。指導教員の健康栄養学科長谷川尋之専任講師は「体の成長と運動機能を数値化して、スポーツ科学の観点から客観的に分析、評価する。それを選手やコーチにフィードバックしてトレーニングに生かすことで、技術やモチベ―ジョンのアップにつなげてほしい。一方で、学生には機器を使用する測定方法やデータを測定する意味、測定時の声かけや接し方で数値が良くなることなどを知って、経験を積んでくれることを期待している。栄養学は、栄養の知識のみだけではなく人と接しながら体の中身全部を見る学問。トレーニング指導やスポーツビジネスなどとつながることで大きな可能性がある。広い視野を持って学んでほしい」と話す。長谷川ゼミの福田夏未さん(健康栄養学科3年)と伊藤由来さん(健康栄養学科3年)は今回の測定を通して「子どもの目線に合わせるよう心掛けた。将来はジムなどで選手と接する栄養士の道も考えているので、実際に機器を使った測定や、保護者など関係者とのコミュニケーションは貴重な経験」と手応えを感じている。ダイナブラックスの九蘭滉太コーチは「測定値はチームや選手、保護者と共有し、選手の心身の健全なレベルアップにつながっている」と話した。「信州松本ダイナブラックス」を運営するXYZ株式会社と松本大学・松商短期大学部は2021年12月、食とスポーツを通じた街づくり、子どもたちの健全な育成を目指し連携協定を締結した。


長谷川ゼミでは、長野県内を中心に多くのスポーツチーム、アスリートの栄養サポートを実施してきた。その中には、トップリーグで活躍するプロアスリートの栄養サポートもあり、貴重な知見や経験を得る機会があり、これらを学内に留めるのではなく、地域の子ども達や保護者、指導者に伝え、長野県内の競技力向上に努めるため“スポーツ・サイエンス・スクール”を企画。今回の開催で4回目、ダイナブラックスとの開催は2回目となる。中高の部活動の地域移行が進む中、子どもの成長に合わせたトレーニング計画や栄養教育の必要性は高まっており、今後も積極的に展開していく考えだ。

取材・撮影/斉藤茂明