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【大町白馬リトルリーグ】明るさを持ちながら 勝負に強いこだわり

「勝ち負けが全てではないが、真剣勝負をさせたい」。竹田定治郎監督はそう語気を強める。大町市を拠点に活動する硬式少年野球チーム・大町白馬リトルリーグ。勝負へのこだわりは揺るぎないものがある。
 1976年に設立された大町リトルリーグと白馬リトルリーグは、互いに全国大会への出場を果たすなど好成績を収めていた。その両チームが2015年に統合し、大町白馬リトルリーグが誕生。大北地域(大町市、池田町、白馬村、松川村、小谷村)の少年少女が集い、毎週末に汗を流している。

 昨年は信越連盟春季大会で準優勝し、上位2チームが出場できる全日本選手権に進出。統合以来初の快挙を成し遂げた。今年は春季大会こそ初戦敗退に終わったが、夏季大会ではベスト4。中学1年生が夏に引退し、現在は新チームで鍛錬を積んでいる。
 「いまは技術的には劣るが、近年稀に見る元気の良さがある。練習では『こんなことをやっても盛り上がるんだ』と驚かされる」と竹田監督。総勢15人と決して規模は大きくないが、選手たちは声を出し合い、指揮官の言葉を借りれば「1人で2人分の盛り上げ」を生んでいる。その雰囲気が功を奏し、「格上の相手にも勢いに乗って勝てることがある」という。


 その中心にいるのが、6年生の西條旭陽主将と福田信之助だ。最上級生の大町東小コンビは、5年生の多いチームで統率を図っている。西條主将は「僕たちは明るく元気なチーム。たまに下級生が集中できていないときがあるので、そこはまとめられるようにしている」と責任感を抱く。
 練習からこだわっているのは、真剣勝負の姿勢だ。「『絶対に勝て』というわけではなくて、『勝つために頑張る』というのが我々のテーマ。練習でアウトが取れないと試合でも取れないので、ときには厳しく言うし、集中力だったり勝負強さを身につけてほしい。それが学校生活もそうだし、大きく言えば人生でも生きてくるはず」と竹田監督。練習から試合を想定し、ミスをミスで終わらせずに反復練習を積む。西條も「ホームランが打てそうなところでもうひと伸びが出なくて、悔しい1年だった。もっとホームランを打ちたい」と勝負にこだわりを示している。
 現在は来春の信越連盟春季大会に向け、ローカル大会に出場しながら技術の向上に取り組んでいる。ここから厳しい冬を越え、春に大きな花を咲かせることができるだろうか。

竹田 定治郎監督

子どもたちは家族の時間も大事な中で、土日はほぼ練習に参加してくれています。せっかく好きな野球ができているので、みんなで頑張って人間としても強くなってほしいです!

西條 旭陽主将

2年生からここでプレーしていて、今年はキャプテンとして声を出すことを意識しています。鈴木誠也選手に憧れているので、もっとホームランを打てるようになりたいです!

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TEL:090-4731-6325(事務局 太田)

取材・撮影/田中紘夢