地域スポーツ

【塩尻グロースターズ】    「目標」と「目的」の両輪を 追求しながら本番の冬へ

「目標と目的は違う」。そう語る藤田小百合コーチのもと、ミニバスケットボールに打ち込む塩尻グロースターズ。全国出場という“目標”と、人間形成という“目的”は揺るぎないものがある。
 藤田コーチが以前指導していた塩尻北と、長い歴史を持つ塩尻が2020年に合併。子どもたちの成長を願い、塩尻グロースターズと命名した。昨年12月には、第4回しんきん&テレビ松本優勝旗争奪大会に出場。決勝で松本SEIBUを59-38と圧倒し、合併して以降初優勝を飾った。

 その1カ月後には、全国舞台に繋がる全国選抜長野県大会が予定されていた。1回戦の相手は同じ松本SEIBUで、指揮官は「20点差以上で勝っていたのでモチベーションが高かった」と言う。しかし、惜しくも新型コロナの影響で中止となり、前回王者の茅野市スポーツ少年団が県代表に選ばれた。
 「引退した先輩たちは、全国をつかむチャンスすら得られなかった。今の選手たちは『僕たちがそれを』と意気込んでいる」。末野陽(ひなた)主将もその1人で「全国にかける思いは強いし、自信もある」と力を込める。4年の終わりからチームに加入。競技歴こそ周囲より浅いが、持ち前の明るさでチームを鼓舞している。
 現在のメンバーは42人。『代表』『ネクスト』『エンジョイ』と3カテゴリに分けているが、コロナ禍で思うように交流を図れていない。「体育館に40人集まるのが難しくて、練習日はほとんど違う。別々のチームのような感じなので、みんなでもっと切磋琢磨できれば…」と指揮官は本音を漏らす。
 全国出場とともに重視しているのが人間形成。活動が制限される中でも一人一人と真摯に向き合い、時には厳しい言葉もかける。「ここでバスケがうまくなることも大事だが、子どもたちはこの先の人生のほうが長い。指導者としてはチームの目標をかなえつつ、人間形成を目的として育てていきたい」と話す。


 6年生の末野は「中学でもバスケを続けて、将来はプロになりたい」と意気込む。同じ長野県のプロチーム・B1信州ブレイブウォリアーズの試合は毎回欠かさずチェック。日本代表に選ばれた岡田侑大に憧れているという。
 7月からは県U-12リーグ戦が開幕。目標と目的を日々追求しながら、本番の冬に向けてギアを上げていく構えだ。

キャプテン 末野 陽くん 小学6年生/センター


小学4年の終わりくらいからバスケを始めました。今年は藤田コーチからキャプテンを任されて、試合での声かけを意識しています。プレーではゴール下が得意なので、大会で自分の力を発揮したいです。全国に行けるよう、個人としてもチームとしても頑張りたいと思います!

藤田小百合 コーチ

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取材・撮影/田中紘夢