地域スポーツ

【FC Joga Serio】真剣に楽しんで成長を 中学生年代の新チームが始動

真剣に遊んで成長を――。松本市を拠点としたサッカーのジュニアユース(中学生年代)チーム「FC Joga Serio」が創設され、4月から本格始動する。向上心に燃える子どもたちを広く受け入れるため、セレクションは行わず門戸を開放。胡桃澤庄治監督は「サッカーが本当に好きな選手、上達したいと願う選手を広く受け入れ、高校や大学でもサッカーを続けられるように導きたい」と意欲を口にする。
 クラブ名に、フィロソフィーが色濃く反映されている。ポルトガル語でJogaは「遊ぶ」、Serioは「真剣に」という意味。「サッカーは遊びのような存在かもしれない。でも同じ遊びでもふざけてやるのではなく、真剣に一生懸命取り組む。それが成長につながり、心の底から楽しめるはず」と指揮官は力を込める。
 胡桃澤監督はこれまでも、人工芝グラウンドの松本市旭町中を会場とした小中学生対象のKSS(胡桃澤サッカースクール)を展開してきた。年中〜小学2年生を対象としたキッズスクール、小〜中学生対象のスクール、選手登録して大会出場するジュニア(小学生年代)育成など、力量やニーズに応じて指導。今回はジュニアユースのチームを立ち上げた。
 4月からは週4日の練習に加え、遠征や練習試合などを通して実力向上を図る。初年度はクラブユース連盟には所属せず、高円宮杯Uー15などのリーグ戦に集中する考え。2年目での中信2部リーグ進出を目指す。「本気で練習して試合に臨んで結果的に失敗したとしても、そこから何を学ぶかが重要。最初のうちは緊張して試合で実力を発揮できないこともあるかもしれないが、失敗しても構わない。試合はショータイム。まずは大人が楽しんで、子どもたちも楽しめるように導きたい」と胡桃澤監督は話す。
 スキルアップしてUー18以降のカテゴリに繋げていくためには、選手自身の努力に加えて指導力も大きく関わる。胡桃澤監督は「選手たちが上達できなければ、それは指導者の力不足。チーム力の向上や選手のスキルアップを目指すと同時に、こちら側の指導力も上げていきたい」という。
 2月7日に初練習を行って始動。前々日に積もった雪が人工芝グラウンドを厚く覆う中でも、選手たちはいきいきと練習に励んでいた。スキルアップを目指してKSSに通っていた安藤琥汰朗や、「もっと経験を積んでうまくなりたい」と中学校の部活動から切り替えた腰原侑馬など、メンバーの経歴はさまざまだ。雪の中、息を弾ませてグラウンドを駆けまわる選手たち。その瞳は春からの本格始動に向け、キラキラと輝いていた。


胡桃澤 庄治 監督
失敗を恐れず、果敢にチャレンジしてほしい。自分で考えて最善を尽くしての失敗には価値がある。失敗して立ち止まるのではなく、1つの手段がうまくいかなかったら次を試すというように、どんどん挑戦していくことを後押しします。


腰原 侑馬 さん
中学校のサッカー部で活動していましたが、もっとしっかりサッカーに打ち込みたいと思ってFC Joga Serioに入ることを決めました。練習だけでなく、遠征や試合なども増えると思うので、今からとても楽しみです。


安藤 琥汰朗 さん
サッカーは幼稚園の時に始め、いったんは中断していました。少し前に中学校のサッカー部に入り、KSSにも通い始ました。「一生懸命遊ぶ!」というこのチームのコンセプトが自分に合っていると思って入りました。

取材・撮影/児玉さつき