地域スポーツ

【第2回松本大学健康首都会議】充実の市民参加型講座 地域の人々が「健康」を学ぶ機会を提供

「健康ライフの知恵を増やそう!~さらなる脳活・筋活・骨活・腸活に向けて~」と銘打ち、第2回松本大学健康首都会議が開催された。松本大学を「地域の健康首都」とし、地域住民の健康づくりにアプローチする市民参加型講座として昨年度から実施。市民タイムス・長野朝日放送と松本大学が共同主催し、第2回となる今回は11月11日・12日の二日間で31講座を開講。約900名の受講者がおとずれ、健康増進への学びを深めた。

 「日常生活の中で運動を習慣づけられるよう、ご自宅でも行える簡単な運動を紹介しようと皆で話し合った。講座を健康づくりのきっかけとしてもらい、私たちが力になれたら」と話したのは、人間健康学部長を務める根本賢一教授のゼミ生で、スポーツ健康学科4年生・丸山裕子さん。体育館を使って「無理なくできる中高年者のための筋トレ実践講座」など2講座を企画・開催すると、約50名の受講者が学生のかけ声に合わせて筋トレやストレッチを実践。70代の参加者からは「身体を動かす講座に参加したかった」「学生さんがハキハキしていて、何を聞いても分かりやすく答えてくれるので、すごく頼もしい」と笑顔がみられた。
 健康・スポーツ科学や神経科学を専門とする川島均教授は「大学として、アウトリーチの機会は非常に大切」と話し、講座「運動で脳を活性化」で運動が記憶力や判断能力にもたらす効果を解説。座学の中でも模型や解剖図で脳の構造を分かりやすく示したり、実際に受講者と後出しジャンケンを行って難しさを実感してもらったりと関心を引く工夫を散りばめた。受講者は熱心に耳を傾け、質問も飛び出すなど充実の時間となった。
 外部講師として招かれた百瀬整形外科スポーツクリニック院長・百瀬能成医師は、「骨コツ貯めよう『きん(筋肉)』のお話」と題してロコモティブシンドロームと骨粗しょう症について医学的な視点から解説。全国の有病者数など具体的なデータや、治療方法の紹介、日常的に実施できる予防方法などの内容に、受講者は真剣に耳を傾けた。プロサッカーチーム・松本山雅FCのチームドクターも務める百瀬医師は、「スポーツ選手の行うリハビリは高齢者の健康増進にも応用できて、一般の方々にも十分に生かすことができる」と話した。
 各講座への参加は無料で、事前申し込みが必要。合計5つの講座に申し込んだ70代の夫婦からは「貴重な話をいくつも聴けるのはうれしい」、昨年も参加したという松本市内の女性からは「今後も来られる限り参加したい」など、参加者からは開催をよろこぶ声が聞かれる。地域の健康づくりからの地方創生・地域貢献を目指し、来年以降も取り組みを続けていく。

取材・撮影/佐藤春香