プロサッカー選手が子どもたちとともに、“見えない”ボールを追いかけた。長野市主催のブラインドサッカー体験会が2022年12月15日に開催。女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」を戦うAC長野パルセイロ・レディースの選手が参加した。
長野市文化スポーツ振興部スポーツ課は昨年、2022年度から2026年度を期間とする「第三次長野市スポーツ推進計画」を策定。スポーツを通じた共生社会の実現および障がい者スポーツ(パラスポーツ)の推進を掲げ、その一環として今回の体験会が実施された。
これまでも長野市の各プロスポーツチームと連携し、パラスポーツの各競技を織り交ぜた「NAGANOパラ★スポーツデー」など、さまざまなイベントを行ってきた。2022年12月3日には、長野市障害者スポーツ協会とAC長野パルセイロとの共催でシッティングバレーボール体験会を開催。今回は長野市が主催するイベントだが、同市として特定の競技の体験会を行うのは初めてだという。
当日は長野県長野盲学校の体育館を会場とし、同校の幼稚部から高校生まで21人の生徒が参加。長野県ブラインドサッカー協会から講師が派遣され、AC長野パルセイロ・レディースから菊池まりあと小澤寛の2選手がゲストとして出演した。
ブラインドサッカーはサイドライン上にフェンスを設置して行われる。この日は長野市が購入した専用フェンスが初お披露目となり、参加者たちが感触を確かめた。その後は菊池と小澤が補助を務めながら、パス回しやドリブル、シュートなどを体験。50分と短い時間ではあったが、子どもたちは積極的に参加して笑顔が絶えなかった。
体験会の最後には、菊池と小澤がPKを披露。アイマスクを付けながらも強烈なシュートを叩き込み、参加者たちから歓声が沸いた。以前にもブラインドサッカーを体験していた菊池は「改めて難しいと感じた」と言い、初体験の小澤は「皆さんと楽しくできてよかった」と話した。
2028年には第82回国民スポーツ大会および第27回全国障害者スポーツ大会が長野県で開催される。今後もパラスポーツの推進に向け、ブラインドサッカーのみならず、各競技の体験会を行う予定とのこと。長野市文化スポーツ振興部スポーツ課の畠山沙織主事は「これからも各プロチームと連携を深めながら、2028年に向けてパラスポーツを盛り上げられたら」と先を見据えた。
取材・撮影/田中紘夢