特集

Jリーグ・京都サンガF.C. 「麻田 将吾」

J2京都で日々奮闘する22歳
さまざまな出会いに恵まれて成長

サッカーJ2京都サンガF.C.で、安曇野市出身のDF麻田将吾がプロ4年目のシーズンを送っている。高校進学と同時に故郷を離れて古都でサッカーに打ち込み、貴重な出会いに恵まれながら成長。今季は2年間のレンタル移籍から戻り、J1昇格争いを繰り広げる京都で奮闘中だ。チーム内競争は激しいが、自らの武器を磨きながら出場機会をうかがう。
186センチの長身で左利きのセンターバック。中学校まではアルフット安曇野(現FC AZUL)でプレーした。複数のJクラブのアカデミーから誘いを受け、「練習参加した中で一番楽しそうだった」と京都を選択。トップ昇格者を次々と輩出している育成の名門で、麻田は高校1年時から出場機会をつかんだ。
そこからいくつもの出会いに恵まれた。まずは2年時。ボランチからセンターバックへの起用変更に対する心理的な抵抗を、当時の監督・森岡隆三が払拭した。日本代表として名を馳せた稀代のDFから守備の真髄を学び、「守備の楽しさやボールを奪う楽しさを教えてもらって、ディフェンスも悪くないと思えるようになった」と明かす。
2017年にトップチーム昇格。チームは低迷期で自身も出場4試合にとどまったが、貴重な学びを得た。相手は元日本代表DF田中マルクス闘莉王だ。当時FW起用の闘莉王と練習でマッチアップする機会が多く、「対峙したその場で色々と教えてもらった」。屈強な闘莉王からボールを奪って達成感を得たり、デビュー戦のベンチで親身にアドバイスをしてもらったりしたという。
その後2年間はカマタマーレ讃岐にレンタル移籍し、55試合に出場した。中でも2018年は海千山千の指揮官・北野誠監督に師事。「戦術を考える力がすごくある監督で難しい要求も多かったけど、できたときには達成感も大きかった。一方的に押し付けるのではなくこちらの意見も聞いてくれるし、すごくやりがいがあった」と振り返る。

京都に戻って迎えた4年目は、元松本山雅FCのDF安藤淳らと切磋琢磨して日々成長を遂げている。そして心は紫色に染めながら、故郷への思いも絶やさない。「長野県出身のJリーガーがもっと活躍して、田中隼磨さんみたいにJ1で渡り合う選手が出てくるのが一番。僕たちはそれをしっかり目指して日々努力する」と麻田。信州産アスリートとしての期待も感じながら、最高峰の舞台で躍動する未来を見据えている。

取材/大枝 令

Jリーグ・京都サンガF.C.所属
麻田 将吾 SHOGO ASADA
安曇野市出身のセンターバック。2017年に京都サンガF.C.U-18からトップ昇格。18・19年はカマタマーレ讃岐でプレーし、20年に京都へ戻った。J2、J3通算67試合出場2ゴール(10月12日現在)。U-15からU-20の日本代表にも選出された。
186センチ、80キロ。