高校スポーツ

松本県ヶ丘高校 eスポーツ班

目指せ国体・全国本選!

昨今は「eスポーツ」という名前も耳にすることが増えてきた。コンピューターゲームを使って勝敗を競うエンターテインメント性が注目され、ゲームの枠を超えて新しいスポーツのジャンルとして世界的に裾野を広げている。プロゲーマーとなれば数億円というファイトマネーを獲得している者もおり、YouTuberと並んで将来の夢に据える少年少女も多いのではないか。
松本県ヶ丘高校に2年ほど前誕生した「eスポーツ班」は、班員6人(2年生5人、1年生1人)で活動している。学校での立ち位置は物理化学部のひとつの班という形のため、現在は単独の部活動として独立を目指しているそうだ。パソコン関連を扱う企業が行うeスポーツに必要な機材を3年間無償貸与する高校生支援プログラムを受けて、高性能なパソコンを用意。オンライン環境も必要になるが、同校では教室でも無線通信が可能となっていて班員たちは放課後にチームプレーの練習等に取り組んでいる。
ここで取り組まれているのは、サッカー選手を操作して競技する「ウイニングイレブン」、ジャンプやロケット飛行ができる車を操作してサッカーを行う「ロケットリーグ」だ。今年はコロナ禍で開催が延期されている鹿児島国体において、「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2020 KAGOSHIMA」が開催される。同班では班長の吉見健志くん(2年)を中心にウイニングイレブンで本選出場を目指している。吉見くんは「まずは県代表になり、北信越を勝ち抜かないと本選には出られない。国体で上位入賞を目指している」と意気込む。この他に、高校対抗eスポーツ全国大会「CocaーCola STAGE 0 eSPORTS HighーSchool Champion ship 2020」への参加も予定しており、2年生の石原圭くん、降籏正紘くんは参加競技の「ロケットリーグ」の練習に余念がない。

一方で、目下新入部員を募集中だ。eスポーツ初心者でも大丈夫というのは2年生の小西佳奈さん。「面白そうだと思って入ったけど、全く触ったことのないゲームに最初は戸惑いました。教えてもらうことが多いので楽しいです」と話す。また、現在唯一の1年生、荒川佑成くんは「僕も初心者で分からないことが多いので勉強中です」と笑顔で話している。
「文武両道」と言うが、eスポーツの登場で現代の「武」の形は実に多様性を帯びてきたと思う。県ヶ丘高校eスポーツ班には新しい令和の「文武両道」の形を拓いて欲しい。

取材・撮影/生田 和徳

eスポーツ班 班長
吉見 健志くん
今使用しているパソコンの返却時期も近くなっているので、部活動等に昇格して部費を付けて貰えるよう頑張っています。eスポーツは初心者でも大丈夫です。一緒に熱く闘いましょう!