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笑顔と勇気と感動を!      心を届けるチアダンス!

 軽快な音楽に合わせて元気よくポンポンを振り上げる子どもたち。日曜日の朝、安曇野市穂高総合体育館のフィットネスルームでは、チアダンススクール「フルール」のキッズクラスの練習が行われていた。この日練習していたのは年長~小学1年生の13人。先生の掛け声で準備運動のストレッチ、体幹を刺激する動作など入念に身体を動かし、振付の練習に入るとポンポンを持って身体全体を大きく使った振りに笑顔を見せていた。

 同スクールは、スポーツ事業を全国展開するリーフラススポーツ信州が2021年6月に開校した。インストラクターの市川多美子さんによれば、昨今のダンス人気によってチアダンスの需要は高く、安曇野市でも既存の他教室だけでは受講希望者を賄いきれない状況があったという。同スクールも開校間もなく人気を呼び、この1年の間に松本中央、下諏訪、三郷の4校に広がり、各20~30人の生徒が通っている。

 宮越美輝先生は、「子どもたちにはチアを通して大きく2つのことを学んでほしいと思っています。一つ目は自信をもって行動できるようになること。ダンスは自信を持っているほうが綺麗に見えますし、それを通して自分自身を好きになってもらいたい。そして日常生活の行動に自信を持って欲しいです。二つ目は、ありがとうを言えるようになること。誰かに何かをしてもらう事は当たり前ではなく、ちゃんと感謝を伝えられる人間に成長してほしいんです」。

 同スクールでは現在、コロナ禍の影響もあり大きな発表会等は開催できていないが、小規模の「ミニ発表会」等の場を企画運営しながら、今後はより多くの人に子どもたちのパフォーマンスを見てもらえる機会を作りたいとしている。宮越先生は「チアダンスを通して、健やかに美しく、笑顔の似合う人に育ってほしいです。最初は緊張して動けない子も、数ヶ月で勝手に身体が動くようになります。そんな子どもたちの成長を見守ってください」と、今後の発展に期待を込めている。


 子どもたちはチアダンスを通して笑顔や感動を届ける楽しさ、感謝の気持ちを学んでいる。それはダンスの見た目の華やかさ以上に、私たちの本質的な部分を育んでいるように感じる。

取材・撮影/生田和徳