地域スポーツ

【穂高西中学校】団結力で初の北信越へ 新チームも意思を継ぐ

「このチームでなければ北信越にはいけなかったと思う」。北原怜華主将は誇らしげにそう語った。穂高西中女子バレーボール部は、7月に行われた県中学総体で3位に入賞。初の北信越大会に進出し、有終の美を飾った。
 茅野東部中を率いていた棟田晃顧問が今季、就任。既存の土松敦子コーチが現場を主に担う形となった。県教員チームで国体に4度出場した同氏のもと、チームは県内外の高校と練習試合を経験。土松コーチは「高校生相手だと体格も違うので、勝てないことが多かった」という。それでも「レギュラーの6人中5人が経験者で、体格的にも恵まれていた。勝ちに対して譲らないところもあった」とチームの印象を振り返る。


 入学時に掲げた目標は、県中学総体での北信越大会出場。1年時はコロナの影響で中止となり、2年時は1回戦敗退に終わった。「個人の力はあっても、最初はチームとしてバラバラだった」と北原。3年時の今季は主将を務め、「人に厳しく言えるタイプではない」と謙遜しながらも、同校OGで3歳上の姉・杏華に感化されたようだ。
 「姉がキャプテンとしてチームを引っ張っていたので、自分もそういう存在になりたかった。穂高西を強くするために、少しずつ厳しく言えるようになった」。 チームは主将を中心にミーティングを重ねて一致団結。迎えた県中学総体では、1回戦と準々決勝をストレートで勝ち進む。準決勝では王者・広徳に0-2と敗れたが、3位決定戦で飯島・伊那に2-0と快勝し、北信越への切符をつかんだ。



 続く北信越大会では、1回戦で中之口(新潟)を2-0と下したが、準々決勝で王者・福井工大福井にストレート負け。ただ、「まだまだ上には上がいると実感したし、最後に良い試合ができた」と北原は悔いを残さなかった。
 大会後にチームは代替わり。新たに主将となった長澤瑞歩は「穂高西中は強いというイメージを持たれている。プレッシャーはあるけど、『このチームも強いんだ』というところを見せていきたい」と意気込む。2年生は全員が未経験からスタートしたが、棟田顧問は「今の代は北信越に向かう先輩たちと一緒に練習してきた。そういう意味では他のチームより経験があるので、よく学んで頑張ってくれている」と心強さを感じている。
 まずは今秋から行われる中学新人大会で、県大会出場を目指す。歴史を塗り替えた3年生の意志を継ぎ、コートで強さを表現していく。

取材・撮影/田中紘夢