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【松本大学 卒業生インタビュー】画一的ではなく、一人ひとりに合わせた健康プランを


2011年に松本大学を卒業し、現在は白樺リゾート池の平ホテルの「健康いきいき診断プログラム」でパーソナルトレーナーとして働いている小澤ひかるさん。
 小学5年生から新体操に打ち込み、高校時代にはインターハイにも出場。その経験から、「体格も運動能力も違うのに、同じトレーニングをしていて意味があるのだろうか」という疑問を抱いていたという。大学進学時には競技者として大学へ進学するか、サポートする道を志すか悩み、松本大学にスポーツ健康学科が新設されるとの情報を受け、オープンキャンパスに参加。その時に受けた根本賢一教授のミニ講義で、「人それぞれ体力レベルや体格が違うから、それに合わせた指導をすることが大事」の言葉に感銘を受け、松本大学への進学を即断した。そして3年生になり、念願の根本ゼミナールへ。ゼミの活動では知識を深めると同時に実践力を養う目的から、地域に出向くことも多かった。地域の人と一緒にウォーキングをしたり、ストレッチの指導をしたりと、触れ合う機会が多く、「自分よりも年上の方と接する際、気後れしてしまうこともありましたが、短期大学部から編入した先輩たちの堂々としている姿を見て、自分もチャレンジする勇気をいただきました。おかげで、年上の方とのコミュニケーション能力も身につきました」と振り返る。
 現在は、白樺リゾート池の平ホテルでパーソナルトレーナーとして勤務する小澤さん。根本教授監修の「健康いきいき診断プログラム」では、体組成や脚筋力、柔軟性の計測のほか、持久性体力が把握できる呼気ガス分析装置を用いた科学的なデータに基づいたトレーニングプランを提案し、健康的な体づくりのアドバイスを行っている。「一人ひとりに様々な測定を行うため、その方に合った運動のメニューを作ることができます。運動をするというと、いきなりランニングをしたり、無理な筋トレで体を傷めてしまうことがありますが、その方に合った無理のないプランを提案できる点は特にやりがいにもつながっています」。
 そして今、特に力を入れているのが2016年からスタートしたパーソナルデータに基づく栄養と運動指導により生活習慣の改善を図る、独自に開発した「特定保健指導」。コロナ禍の3年間は対人指導の規制で中断に近い状況となったが、2023年から数社の大手健康保険組合が取り入れるなど、再びニーズが高まっているという。「健康診断後に、保健師や管理栄養士からの指導を受け、運動をしなければと思う方も多いはず。その方々に科学的根拠に基づいたトレーニングプランを提案することで、健康的な暮らしへの第一歩になればと思っています」と想いを語る。競技者として抱いていた疑問への答えを松本大学で見つけ、さらに仕事へも生かすことができた小澤さん。より多くの人々の健康的な暮らしのため、これからも挑戦は続いていく。


【小澤ひかるさん】

取材/児玉さつき