2025年11月2日、鹿児島・白波スタジアム。九州最南端の地で、松本山雅FCのJ2昇格は消滅した。鹿児島ユナイテッドFCとのJ3第34節、2点リードを守れず大逆転負け。試合後、早川知伸監督は「やはり自分の責任が全てだと思っているし、それを謝罪するしかない。本当に申し訳ありません――という気持ち」とこうべを垂れた。

この試合が象徴するように、どこまでも詰めが甘かった。53分までにクロスから2点を先行。あとは巧みにゲームを運びながら時間を進め、リードを守り切ってクローズすればよかった。しかし74分に1失点を喫すると目に見えて浮き足立ち始め、87分にもゴールを割られる。
2―2。さらに試合終了間際の90+9分、ラストプレーで失点を許した。相手が高さと速さに特徴のある交代選手を投入してきたにせよ、余りにも無残な逆転負け。樋口大輝は「なんでこうなってしまっているのか…。もちろん要因はあると思うし、その場面場面を抜き取ったらあると思うけれど…」と絶句した。

副キャプテンを務める大内一生も「原因が明確にわかっていれば簡単な話だけど、自分たちもなんでこうなってしまうのか…。『足りないから』と言われたらそれまでだけれど、あまりにも屈辱的。自分たちの今の状況を物語っている結果になってしまった」と話す。

2人の言葉からも読み取れるように、チームは迷い、もがき続けていた。攻守とも自分たちが主体性を発揮するスタイルを志向はしたものの、実現には程遠かった。イージーな失点が繰り返され、先制されるとあからさまにトーンダウン。第36節まで終えて一度も逆転勝ちがない――というのが、メンタルの脆弱さを物語ってもいる。
「間違いなくメンタリティの部分は弱いと思う。球際に行くとかそういう部分は当たり前。追い込まれた時、負けている時、失点した時にみんなすごく顔が沈んでしまっている」。安藤翼はそう言葉を絞り出す。目指してきたタフな集団とは対照的な姿を露呈し、J2昇格への道筋は閉ざされた。

その後も敗れてJ2〜J3ではクラブワーストとなる6連敗。ただ、第35節高知ユナイテッドFC戦を1―0として連敗は止めた。続いて長野Uスタジアムでのホーム第36節FC大阪戦も好内容でドローとし、J2昇格を狙う相手に待ったをかけた。
38試合中36試合を終えた段階で、14〜18位でのフィニッシュが確定している。「サポーターに対して申し訳ない気持ちがある。最後の最後くらいは熱い気持ちを持って、勝って終わりたい」と村越凱光。左胸のエンブレムに恥じないプレーを誓いながら、苦難にまみれた2025年シーズンを締めくくる。

取材/大枝令
