J2昇格を懸けた真剣勝負が始まった。Jリーグのシーズン移行に伴い、これまで2月に開幕していたリーグ戦が今季は8月に幕開け。松本山雅FCは高知ユナイテッドSCとの開幕戦は0―0の引き分けに終わり、レイラック滋賀FCをサンプロ アルウィンに迎えたホーム開幕戦は2―3で逆転負け。厳しい船出となった。
8月8日にアウェイで臨んだ高知戦は、昨季も在籍していた選手主体のスターティングメンバー。ただ、今年2月のJ2・J3百年構想リーグ開幕戦でも先発した選手は3人のみで、この半年で陣容は大きく入れ替わった。今季からの新戦力はDF高野遼とDF蓑田広大、GK小林将天の3人が先発。既存戦力も井上愛簾と藤枝康佑の両FWやMF松村厳ら若手が開幕先発の座を勝ち取り、平均年齢24・73歳という若い布陣で臨んだ。




前半30分前後からプレス守備が機能し始めると、34分には井上が高い位置で奪ったボールから決定機を迎えた。しかし、シュートはGKに止めらて逸機。後半も主導権を握って試合を進め、MF村上陽斗やFW田口裕也らが何度も決定的な場面を迎えたが、決定力を欠いて最後までゴールを奪えなかった。
今季初勝利を懸けて迎えた8月16日のホーム開幕戦。21分にDF宮部大己のゴールで先制に成功したが、後半に入ると不安定な守備の隙を突かれて3失点。J3初勝利に沸く滋賀サポーターとは対照的に、1万人近くが足を運んだ松本山雅サポーターからは大きなブーイングが起きた。
石﨑信弘監督は開幕前、「スタートダッシュが大事になる」と序盤戦の戦いをキーポイントの一つに挙げていた。全38試合のJ3リーグは始まったばかりだが、Jリーグ参戦2年目の高知と1年目の滋賀から勝ち点3をつかめなかったダメージは小さくない。

ただ、今季のチームはポジティブな意味で潜在能力が見えにくい。主力の固定化が進んだ昨季と異なり、6月の始動から全ポジションで激しい主力争いを展開。結果的に開幕2試合の先発メンバーはほぼ同じ顔ぶれだったが、石﨑監督は滋賀戦後の記者会見で「途中から出た選手がかなり良い仕事をしてくれた」と指摘。選手たちに競争を促しながら、改めて戦力の見極めを進める考えを示した。
「あの2試合があって良かったな、と後から言えるようなシーズンにしなければいけない」と高野。ルヴァンカップを含めてホーム3連戦で始まる9月は、出遅れを取り戻して上昇気流をつかむための大切な1カ月間になる。
取材/板倉 就五
