生まれ変わったチームが、勝負のシーズンに挑む――。

サッカーJ3の松本山雅FCが、Jリーグのシーズン移行に伴い8月に開幕する2026―27シーズンに向けて強化を続けている。今年2月から6月にかけて行われた特別シーズンの百年構想リーグでは、新たに指揮官に就いた石﨑信弘監督によって鍛え上げられたハードワークを披露。球際やゴール前で体を張り、相手に走り勝ち、最後まで諦めない姿勢が多くのファンやサポーターの共感を呼んだ。2シーズン目を迎える石﨑監督の下、たくましさを増すチームは、J2昇格の目標に向かって突き進む。



今シーズンを前に、複数の主力選手が移籍によってチームを離れた。高卒で松本山雅に加入し、メキメキと成長したMF村越凱光はJ2テゲバジャーロ宮崎へ、新戦力ながら昨シーズンは主将を務めたMF深澤佑太はJ2湘南ベルマーレに完全移籍。いずれも石﨑監督による戦い方の根幹を担った中心選手で、戦力ダウンは否めない。
一方で、頼もしい補強も多い。当時J3のヴァンラーレ八戸で石﨑監督と共に初のJ2昇格を果たしたDF蓑田広大が湘南から完全移籍で加わり、J3で得点を量産してきたFW田口裕也はJ3愛媛FCから加入。MF金子翔太とDF高野遼はJ1での経験も豊富なベテランで、若い選手が多くなったチームにあって精神的な支柱を担う期待もかかる。加えて、松本山雅U―18出身のMF松村厳やJ1サンフレッチェ広島から期限付き移籍して2シーズン目を迎えるFW井上愛簾ら急成長を予感させる若手選手も多く、戦力は充実している。


チームは6月23日に今シーズンに向けた活動をスタート。6月29日からは静岡県御殿場市を拠点に12日間のトレーニングキャンプに臨み、基礎体力の向上と守備面を中心に戦術の浸透を図った。高い位置から相手ボールに激しく寄せ、セカンドボールの奪取とカバリングの徹底で失点を減らす。カウンターや背後を狙った攻撃で相手ゴールに迫り続け、サイドからのクロスやセットプレーで得点を狙う。石﨑監督が目指すスタイルは不変だ。
チームは8月8日にアウェイで高知ユナイテッドSCとの開幕戦に臨み、8月16日にレイラック滋賀FCとのホーム開幕戦に臨む。「良いスタートを切ることが重要。良いスタートが切れれば勢いがつく」と石﨑監督。塩尻市出身のDF樋口大輝は「良いサッカーではなく、勝てる集団を目指す」と結果にこだわる姿勢を強調する。真夏にスタートダッシュを決め、熱いサポーターと共に長いシーズンを走り抜くつもりだ。

取材・撮影/ 板倉就五
