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【陸上】周囲の応援は力の源。ベストタイムへ向けて駆け抜ける

 「陸上をやってきて本当に良かったなと思える時は、周囲の声援が聴こえる時。チームメイトの栞!頑張れ!という声がとても励みになります」と嬉しそうに答えるのは豊科高校陸上部の北沢栞さん。個人競技の要素が高い陸上において「みんなに応援してもらえると一人じゃないんだと思えるんです」そう言って笑顔を見せる。「結果を出せた時、応援してくれた人たちの期待に応えられたという達成感でいっぱいになります。今まで走ってきて本当に良かったと心から思えます」。

 栞さんが陸上を始めたのは小学校5年の時。きっかけは陸上部の友人と一緒に走った運動会のかけっこで1位になったことだという。「当時の担任の先生が陸上部の顧問で、来年陸上部来ない?と誘ってくれたんです」そこから栞さんの競技人生がスタートした。自身の性格について「感情の起伏が激しいタイプ」と分析。「落ち込むこともあるけれど、大会で良い記録が出たり、入賞できた時にはまだまだ自分はやれる、頑張れると励ましながら続けてきました」去年は高校総体やインターハイがコロナ禍の影響で中止となったが、自粛期間中も黙々と練習を続けた。しかし次々と主要な大会が中止になるのを見ながらモチベーションを保つのは大変だったという。「必ずまた大会で走れる時が来ると信じ、気持ちを強く持って頑張り続けました」その頑張りが実り、インターハイの位置づけとなる全国高校陸上競技大会2020へ出場。栞さんのベストタイムは100m、12・01秒。目標としていた11秒台には届かなかったが、「ベストタイムに近い記録を出せたので満足しています」と前向きな姿勢を見せていた。

 「全国レベルの大会へ出場すると同世代でこんなに速い選手がいるんだと実感でき、スタートの仕方も含めて勉強になることが沢山ありました。周りにいる選手の雰囲気や試合に臨む姿勢は刺激になります」と大舞台を振り返るように話す。顧問の三代澤芳男先生は「トップスピードに乗ってからが強い選手。持っているポテンシャルもとても高い。大学へ行っても活躍して欲しいと思っています。自分自身と向き合いながら陸上に打ち込んでほしい」と教え子の活躍を願っていた。

 この春から山梨学院大学へと進学。2月からは新入生も含めた合宿が始まる。「尊敬していた先輩が山梨学院大学で活躍していて、一緒に練習をしたいなと思ったのもこの大学に決めた理由のひとつです。練習もこれまでより専門性が増していきます。新しい環境に不安はありますが、同時にどこまでやれるかワクワクしています。目標の11秒台を出すために全力で頑張っていきたいです」将来は陸上競技の経験を活かした仕事に就きたいと語る。「スポーツマネジメントや育成に携わっていきたい!」と笑顔で語る姿が印象的だ。次のステージでトップスピードに乗った時、栞さんはどんな姿を見せてくれるのだろうか。

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◆北沢 栞 SHIORI KITAZAWA
2002年8月7日生まれ
安曇野市出身
小学5年で陸上を始める。昨年広島で開催されたインターハイの代替大会となる全国陸上競技大会に出場。一昨年の長野県高校総体では女子100mで優勝。県高校生記録を更新。また同年行われた北信越高校総体では6位入賞。その年のインターハイに出場。来春より山梨学院大学へと進学。