期待の星

池上 凛子さん【バスケットボール】

原動力は楽しむ気持ち 日々鍛錬重ねる心技体

中学に入学してほどなく始まった、部活動見学。クラスメートと一緒に数多くの部活を見て回った。テニス、バレーボール、バスケットボール――。小学校の時にはなかった雰囲気にワクワクした。友人が入部を決めていたこともあり、テニスが第1候補。とはいえ少しの迷いを抱きながら、期間中めいっぱい見て回った。
 そして迎えた最終日、最後に見学したバスケットボール部。3人の3年生が気さくに声をかけてくれた。「先輩が優しくてみんな仲が良くて楽しそうだったから」と、バスケットボールに決めた。
 「カッコいいから、モテたいから、好きだから、楽しそうだから。チャレンジの原動力はなんでもいい。とにかく挑戦すること」。日頃からそう説くお母さん。決断を聞いて「いいじゃない、実はわたしもバスケットが大好き!」と反応した。凛子さんにとっては、母のうれしそうな様子がうれしかった。
 週末にボールを買ってもらうと、その日から毎日“ボールと仲良くなる”練習を始めた。「毎日、外が暗くなるまでボールの音が聞こえました」。三日坊主ならぬ“一日坊主”の常習である娘の変貌ぶりに驚いた。
 仮入部してからは先輩のドリブルやパス回し、シュートを目の当たりにして「私にできるかな」と不安になった。帰宅してお母さんに不安を吐露すると、「初めから上手にできる人なんていないよ。大丈夫、凛ちゃんなら必ずカッコいいバスケットマンになる」とお母さん。力強く励ましてくれた。
 当初あった心のおき火は、新たなモチベーションを得て燃えさかる。「早く上手になって、家族に試合を見に来てほしい」と基礎練習に励む日々。好きは努力に勝る、楽しむは好きに勝る。心技体を鍛えて2年後の4月にはきっと、コートを楽しそうに駆け回っているはずだ。

池上 凛子さん(いけがみ・りんこ)
中学1年生:13歳
生年月日:2009年5月31日
在住:安曇野市