「0-5」。スコアボードに映し出される数字に、目を疑わざるを得なかった。
3月14日に行われたJ2・J3百年構想リーグ第6節、松本山雅FCとの信州ダービー。AC長野パルセイロはJリーグに参入して以降、ホーム・長野Uスタジアムで2勝2分と無敗を誇っていたが、初黒星がまさかの歴史的敗戦となった。
この日はJリーグの応援ソングを歌唱する「Little Gree Monster」のライブから始まり、スタジアムMCが松本サポーターに対して「いつも勝ち点をありがとう」と煽りを入れ、試合前から盛況に包まれた。しかし、試合後は一転してブーイングの嵐に。前半の途中に帰路へ向かうサポーターも現れ、お祭りムードは台無しに終わった。

立ち上がりの1分に先制を許すと、その後も松本の勢いを止められない。セットプレーとカウンターから失点を繰り返し、前半だけで4失点。後半も反撃の狼煙を上げることすらできず、自陣でのパスミスから5失点目を奪われる。前線で孤軍奮闘したキャプテンの藤川虎太朗は、試合後に「完敗ですね」と声を絞り出した。
「一瞬の隙だったり、一歩の寄せだったり。本当に細かいところだけど、もう一回足元を見つめ直したい」。球際やセカンドボールの争いで後手を踏めば、カウンターへのリスク管理も脆く、歯止めが効かなかった。
象徴的なのは3失点目だ。自分たちのFKがクリアされ、松本のロングカウンターへ。3対2で数的優位の状況だったが、松本は味方にボールを預けて追い越し、それをさらに追い越してスピードを止めない。長野の守備はズルズルと引き下げられるばかりで、遅らせることすらできなかった。
球際、走力、切り替え――すべてにおいて完敗だ。ホームのダービーで歴史的大敗を喫し、最下位に転落。格上のJ2勢との開幕4試合では手応えもつかめたが、そこから同カテゴリーのJ3勢に連敗して肩透かしを食らった。
千尋の谷に突き落とされた獅子たちは、どう這い上がるのか。就任2年目の藤本主税監督は決意を改める。




「絶対に逃げないし、立ち向かっていく。これが神様が与えられた試練だと言うならば、面と向かって堂々とぶち壊しにいってやりたい。それくらいの気概で先頭に立っていきたいと思う。選手にも『ついてきてほしい』という話はした」
「過去が未来を決めるわけではないし、未来が過去を決めると思っている。その腹づもりで前に進みたい」

取材/田中紘夢
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