地域スポーツ

【RISING JAM U15】好きこそ物の上手なれ 笑顔忘れず向上心高く

強くなれるのは、上を目指せるのは、「バスケが好きだから」。コーチと選手の垣根すら超えて、仲間とともに全力で楽しみ、頂点へとたどり着けたら最高だ。笑顔を忘れないまま自らの意志で高め合い、みるみる輝きを増していく姿はまさに「RISING」の名にふさわしい。

 大町市を拠点とするバスケットボールスクール「RISING JAM」は、設立当初からU12チームを中心としながら25年にわたって活動を続けてきた。2023年度から始まる公立中学校運動部の地域移行を視野に、2020年から拠点を安曇野市とするU15チームを新たに発足。以来、口コミで聞きつけて加入する選手が後を絶たず、中信地区を中心に県内各地から毎年20人前後のメンバーが集う。

 昨季はJr.ウィンターカップ県予選2位と躍進。準決勝で信州ブレイブウォリアーズU15を下すなど確かな力を示した。トライアウト制ではなく、「来るもの拒まず」の姿勢。締めるべきところは締めつつ、雰囲気の良さを何より重視する。選手たちは紅白戦の最中も笑顔。プレッシャーを感じず、のびのびとバスケットボールに夢中になって、みるみる実力を伸ばしていくという。

「勝ちたいのはもちろんだが、それが全てではない。勝敗にこだわるより、バスケを楽しめるチームであるように」と鎌倉正茂コーチ。「先の長い人生の中で、ずっとバスケを好きなまま続けて行ってほしい」と選手たちを思いやる。さらに、自らコートに飛び込んで対等にプレーする熱い姿勢も選手の心をつかんでやまない。1年生の末野陽(ひなた)くんは「鎌さんについて行きたい」と塩尻市から加入。「教え方が本当に分かりやすい。絶対にうまくなれる」と熱弁する。

 厳しく勝利を追求するのではなく、笑い合いながら上を目指す。3年生の滝澤遼典(りょうすけ)くんは、満面の笑みで「楽しい」と一言。「誰とでも仲良くなれるし、楽しくやれる」とチームの魅力を語り、コートに立てば真剣なまなざしでボールを奪い合う。「昨年の先輩たちの結果を超える」と掲げた目標は、メンバーの誰もが同じ。心から楽しんで取り組めるからこそ、芽生える向上心が彼らをいっそうかき立て、より高みを目指して切磋琢磨できる。
 バスケが楽しいから、強くなる。その一心のみで、彼らはどこまでも昇りつめる。目覚めたばかりの朝日のように、燦然と輝ける頂点を目指してその成長は止まらない。


【鎌倉 正茂コーチ】
雰囲気の良さが何よりの強み。上手な仲間たちに囲まれて、仲良く楽しくやれるので、皆が伸びていく。選手たちがうまくなっていくのを見るのは、やはりうれしく思います。

【滝澤 遼典(りょうすけ)選手】
要点を詳しく教えてくれるコーチの指導が分かりやすい。楽しく真面目にやれる人なら歓迎です!昨年の先輩たちの結果を超えるため、県大会1位で全国を目指します。

取材・撮影/佐藤春香