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女子プロゴルファーら集結 塩嶺CCで初の大会

JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)のプロテスト合格を目指す女子ゴルファーたちが、信州で熱戦を繰り広げた。8 月 8 日に初開催となったリバーサイドゴルフトーナメント塩嶺 CC レディス。地元企業を中心に多くの協賛を集い、賞金総額は 160 万円にも上った。北は北海道、南は九州から 24 人の選手が一堂に会し、中野なゆ(高知)が初代女王の座を射止めた。

 舞台は塩尻市内唯一のゴルフ場・塩嶺カントリークラブ。主催する小石グループはゴルフ練習場を経営しており、プロ選手とマネジメント契約も結んでいる。小石雅之社⾧は「世の中にはプロツアーで戦いたい女子選手はたくさんいるが、なかなか厳しい世界だと聞いている。そういった方々にチャンスを与えて、次のステップに生かしてもらって、また次の世代にも夢を持ってほしかった」と開催に至った経緯を明かす。思いに共鳴した塩嶺 CC の山田祥雄社⾧と手を組み、4 月から準備を進めた。

 JLPGAのプロテストは、今大会の前後に第 1 次予選を実施。第 1 次を控える選手や、第 2 次に進んだ選手に向けて「調整の場としても手助けになれば」と小石社⾧は言う。県内からは伊藤きらら、小澤朱夏、諸橋愛奈の 3 人が参戦。地元出身選手に対して「冬場にプレーできなかったり、ジュニア選手の環境が整っていなかったりという問題はある。どれだけサポートできるのかを考えていきたい」と思いを馳せる。

 試合は 18 ホールを終えて中野と⿁塚貴理(熊本)が 2 アンダーで並ぶ展開。プレーオフに突入すると、中野が 3 ホール目でようやく上回った。試合後には「出だしは良くなかったけど、巻き返すことができてよかった」と安堵の表情。すでにプロテストの第 1 次を通過しており、10 月の第 2 次に向けて弾みをつけた形だ。
 このほか今回は小石グループがスポンサードしている淺井咲希プロとS.ランクンプロもゲストとして参加し、大会を盛り上げた。同大会は来年以降も継続して開催していく予定。小石社⾧は「全国各地でこのような大会を開いて選手を応援できれば、よりゴルフが身近になって競技人口も増えていくと思う」と理想を抱く。今回は新型コロナの影響で無観客だったが、有観客での実施も視野に入れているという。

 ゴルフ界のさらなる発展を願い、踏み出した新たな一歩。塩嶺 CC の山田社⾧は「小石社⾧とともにワクワクしながら 1 日を過ごしていた。コースで至らない点もあったと思うが、選手の皆さまのステップアップとともに我々も成⾧していきたい」と力を込めていた。

文/田中紘夢