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夢はフットサル海外挑戦 信州育ちの有望株

フットサルFリーグ1部(F1)のフウガドールすみだで、松本市出身の20歳・宮下豪也が奮闘の日々を送っている。日本ウェルネス長野高への進学とともにフットサルに転向し、昨年6月にはU-19日本代表として国際舞台を経験。仕事と練習のハードな生活を送りながらも、「まず代表で主力として活躍できるような選手になりたいし、海外で結果を残して圧倒的な存在になりたい」と夢を思い描く。
物心がついた頃にはサッカーボールに親しんでいた宮下。松島小時代は地元の少年団に所属し、中学ではアンビシオーネ松本でプレーした。背番号は10。県下屈指のクラブチームで、主力として存在感を発揮していた。
アンビシオーネはグラウンドが使えない冬場にフットサルの大会にも出場していた。そこで日本ウェルネス長野の監督に見い出され、勧誘を受けたという。「もともとテクニック系の選手で、フットサルも好きだった」といい、転向しての進学を決意した。
学校は筑北村。「のんびりした環境だけど設備がすごく整っていた。人工芝のグラウンドも体育館もいつでも使えるし、筋トレもいつでもできた」といい、着実に実力を蓄えた。全体練習が終わって以降は1対1などの自主トレーニングに明け暮れる日々。「今の力がついたのはその環境があったからだと思う」と振り返る。卒業直前にFリーグのクラブから声がかかり、その中からフウガドールすみだに加入した。
そして昨年、U-19日本代表に選出。クロアチアでの国際親善試合に背番号10を背負い、グループステージから決勝までの全5試合に出場した。初戦のハンガリー戦では2得点もマーク。決勝ではスペインに敗れ、「同年代にこんな選手がいるのか」と衝撃を受けたという。それと同時に、代表特有の高揚感も経験。八咫烏のエンブレムをつけた青のユニフォームに身を包み、「国歌を歌った時には達成感や誇りなどいろんな思いが巡った」と話す。
以降はクラブに戻ってからの練習もさらなる熱を帯びた。現在はセカンドチームとトップチームに両方登録されているため、多忙な日々。午前中はトップのハイレベルな環境で汗を流し、その後は地元の浜野製作所で勤務する。夜9時〜11時にセカンドの練習に出て、ようやく1日が終わる。
タフなサイクルだが、「周りのいろんな方々に助けられてプレーできているので、感謝を忘れずにいたい」と宮下。プレーで恩返ししながら、代表定着と海外挑戦を夢見て日々を送っている。

【プロフィール】

宮下豪也
2003年2月22日生まれ、松本市出身。保育園の頃からサッカーを始め、小学生時代は松本松島FCでプレーした。中学3年間はアンビシオーネ松本に所属。日本ウェルネス長野に進むとともにフットサルに転向し、卒業後はF1のフウガドールすみだに入団した。サイズと足元の技術などが武器。昨年はU-19日本代表に初選出され、それと同時にピヴォからアラにコンバートした。188cm、77kg。

 

取材/大枝令