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夏を越えて 巻き返しの秋へ

苦しい戦いが続く。J3リーグは7月末から3週間の中断期間があり、8月16日に再開。それまで8勝5分9敗(勝ち点29)の9位だった松本山雅FCは、FC琉球と1対1の引き分けに終わった。
 早川知伸監督は試合後、攻撃と守備の両面での問題点を挙げた。「前半から相手にうまく寄せることができなかった。攻撃では、しっかりボールを前に運べずに、特に前半はバラバラな攻撃になってしまった」。勝利を逃しただけでなく、内容面でも生まれ変わった姿を見せることができなかった。
 実は中断期間中、チームは「躍動感を取り戻す」ことを大きなテーマにしていた。これまでの22試合を分析すると、「1対1での勝利回数」「ハイスピード走行回数」「急な加速や減速の回数」など、様々な数値がリーグ20チーム中で最下位だったのだ。
 「走る」「戦う」といった基本的な部分は、シーズン開始前のキャンプから重要視してきた。それにも関わらず最下位という結果は、チームにとってショックだった。監督はこの事実をミーティングでチーム全体に伝え、改善に向けてより厳しいトレーニングを積んできた。

 琉球戦では、ボールを持った時のミスも目立ち、躍動感を出すことができなかった。1試合だけで全てを判断するのは早いが、のんびりしていてはシーズンはあっという間に終わってしまう。お互いに刺激し合いながら、厳しい環境を作って立て直しを図りたい。

 しかし、明るい話題もある。新しく加わった選手たちの活躍だ。
 まずはMF川上航立。J2首位を走る水戸ホーリーホックから期限付き移籍で加入した。ボランチのポジションで攻撃と守備の両方でハードワークし、22歳という若さながらキャプテンシーを発揮している。加入してすぐから遠慮なく声を出して周りを動かすなど、早くもその存在感を示している。

 「いつも先頭に立ってプレーしてきたので、チームの勝利のために積極的にプレーしたい。ピッチに立てば年齢は関係ないし、遠慮していたらもったいない」と力強く語る。
 もう一人は、J2ジェフユナイテッド千葉から期限付き移籍で加入したFW林誠道だ。加入後初出場となったFC琉球戦では、途中出場から貴重な同点ゴールを決め、監督の期待に見事に応えた。

 自身初めての夏の移籍で、チームにスムーズに溶け込めるか心配もあったが、デビュー戦から早くもフィット感を見せた。2トップを組む田中想来と息を合わせ、相手の守備陣を揺さぶった。
 こうした新戦力の力も加わり、チームは勝負の後半戦に挑んでいる。J3に留まってもう4年目。今季こそ「今、ここ」での輝きを見せて、実りある秋を迎えたい。

取材/大枝令