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地元ファンの声援を力に 御嶽海、来場所での巻き返しを誓う【令和5年 大相撲地方巡業長野場所】

大相撲の春巡業「長野場所」が4月9日、長野市のエムウェーブで行われ、木曽郡上松町出身の元大関・御嶽海ら多くの力士が土俵に上がった。3月の春場所を4勝11敗と負け越した御嶽海だが、この日は地元ファンから大きな拍手で迎えられた。取組前には正代や雷電らと公開稽古を行い、床山による髪結実演ではモデルとして登場した。土俵入りでは声援に時折笑顔を見せたり、手を振るなどして応えていた。取組では小結の翔猿を寄り切ると、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。

 昨年の右肩の故障から調子を落とし、前頭3枚目まで番付を下げている御嶽海だが、「まだ応援してもらえていることを実感できた」と語り、5月の夏場所に向けては「1年間勝ち越していないので、気持ちを整えてみなさんに喜んでもらえるように頑張りたい」と、この長野場所で受けた応援をきっかけに巻き返しを誓った。

 県内での開催は2019年8月以来、3年8カ月ぶり。9時の開館前から長い行列ができ、来場客は約6500人という注目の場所になった。県内出身の力士はほかに満津田(飯田市)、清乃海(長野市)、藤雄峰(長野市)、北勝真(上田市)の4人が登場した。けがのため春場所を休場した横綱・照ノ富士は土俵入りを披露し、存在感を示した。民謡の一つ「相撲甚句(すもうじんく)」や禁じ手を面白おかしく演じる「初切(しょっきり)」なども行われた。老若男女幅広い観客が来場するなか、外国人の姿もあった。休暇の旅行で寄ったというノルウェーの男性は、「レスリングをやっているので興味があった。初めて見たが、レスリングとは違う点も多く、とても楽しかった」と興奮気味に語った。

取材・撮影/斎藤茂明