松本山雅FCの新たなチャレンジが本格的にスタートした。石﨑信弘新監督が率い、29人中15人が新加入となったシーズン。J2・J3が混在して争う特別大会「百年構想リーグ」が2月に開幕し、松本山雅はJ2勢を相手に腕試しの日々を送る。

2026年秋からスタートする新シーズン移行期を前にした特別大会。リーグはJ2とJ3の40チームを東西4組に分け、ホーム&アウェイの総当たり2回戦で争う。松本山雅はEAST-Bで、ジュビロ磐田や北海道コンサドーレ札幌などJ2勢が6チームひしめくハイレベルなグループに入った。
開幕戦は昨季J1昇格プレーオフに進んだRB大宮アルディージャに挑む一戦。前半で2失点を喫したものの、後半は自分たちの時間帯を増やした。生命線とするハイプレスの強度は90分間を通じて落ちず、むしろ終盤になるにつれて躍動感が光った。
「『トレーニングが嘘をつかない』というのは、80分過ぎから相手を見て実感した。相手が疲れているのを実感したし、自分たちが動けているという自信にもなった。そこでトレーニングの積み重ねの重要性を改めて知ることになった」。在籍6年目となるDF宮部大己は力を込める。
75分にはFW井上愛簾のアーリークロスからFW藤枝康佑がゴール。途中出場の2人が背後へのアクションをさかんに繰り返しながら相手守備にストレスを与え、ここ一番のチャンスで決め切った。起点となったMF深澤佑太、DF小田逸稀も含めて新加入の4人が絡んだ得点。石﨑監督は「トレーニングでやってきたことは十分意識してくれたと思う。背後に出ていくことや縦にボールを入れることは勇気が必要なプレーだと思うが、そこをしっかりゲームの中で出してくれた」とうなずいた。



続く第2節もJ2の藤枝MYFCが相手。元日本代表DF槙野智章監督が指揮を執り、昨季まで松本山雅で背番号10を背負ったMF菊井悠介が在籍する。ボールを繋ぎ倒す相手に対し、ハイプレスとカバーリングの両輪を噛み合わせながら抗戦。結果的に右サイドの1対1からセットプレーを与えるなどで0-2となったものの、開幕戦で課題となった自陣背後のケアは怠らず。流れの中から大きなピンチを招いたシーンはほとんどなかった。
「藤枝がたくさんボールを持つ中で、どうボールを奪いにいくか。恐れずに下がって守るのではなく、チャレンジしてボールは取れていた」と指揮官。DF白井達也も「崩されたシーンはほとんどなかった。奪いに行く姿勢や奪いに行って蹴らせてボールを回収するという、自分たちの意図した守備ができた回数は多かった」と一定の手応えを口にする。
このほかにもJ2勢はヴァンフォーレ甲府、いわきFCなどがひしめく。ゼロからのスタートとなる松本山雅にとっては、勝利を希求しながら結果的に得られる経験こそが極上の果実となる。

取材/大枝令
