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【ゴルファー 村田芽依】兄の背中を超えて ゴルフで渡米を目指す

「世界で活躍するプロゴルファーになりたい」。長野市出身の村田芽依(通明小6年)は、そう言って目を輝かせる。渡米してプロを目指している兄・椋の背中を追うようにしてゴルフに熱中。今春には県勢唯一の女子選手として全国小学生ゴルフ春季大会にも出場するなど、めきめきと頭角を現している。
 ゴルフを始めたのは小学1年生のとき。3歳上の兄の影響を受けて「私もやってみたいと思った」。長野市の大橋ゴルフガーデンを拠点とし、PGA(日本プロゴルフ協会)ティーチングプロA級・荒井準人氏によるレッスン「FGIフタバゴルフインドア」で鍛錬を積んできた。

写真提供/保護者

 同じ環境で育った兄が、憧れの存在だった。兄が6年時には関東小学生ゴルフ大会で総合4位。全国大会はコロナ禍で中止となったが、中学2年生からはアメリカでプロを志している。その姿に触発され、自らも4年生から大会に出場。5年時の昨季はabn佐久市ジュニアゴルフ大会小学生女子で優勝した。
 そして今年1月、群馬県で行われた関東小学生ゴルフ大会に出場。「お兄ちゃんが全国に出られなかった分も頑張りたかった」と言うように、総合4位タイで全国大会進出を決めた。スコアはアウト・インともに38の合計76。くしくも兄と同じスコアと順位をマークし、驚きを隠せなかったという。
 全国大会直前には、PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会関東予選(栃木・千成ゴルフクラブ会場)に臨んだ。6位以内が東日本大会に進出するレギュレーションで、惜しくも8位。「パターが入らなかった」と悔やんだ。
 1週間後に迎えた、全国小学生ゴルフ春季大会(栃木・烏山城カントリークラブ)。1日目は82、最終日は84だった。大会前には「お父さんが『優勝したらアメリカのサマーキャンプに連れて行ってあげる』と言っていた。絶対に優勝したい」と意気込んだものの、33位と悔しい結果に終わった。
 それでも兄の背中を追い、アメリカへの挑戦を諦めない。オフも自宅でのパター練習や素振りに励み、ゴルフ漬けの毎日。その影響もあってか、「学校では周りと話が合わない部分もある」と苦笑いする。

 憧れの選手は、東京五輪で銀メダルを獲得した稲見萌寧。小学生ながら世界を強くイメージしており、「(親元を離れるなら)寂しいけど、アメリカでゴルフができるなら頑張れる」と強気だ。4月からは6年生となり、最終学年の目標は「全国大会で優勝すること」。兄の背中を追いかけるどころか、超える決意もにじませている。

■プロフィール
村田 芽依(むらた めい)
2010年4月7日生まれ、長野市出身。通名小に入学後、1年生から兄・椋の影響でゴルフを始めた。4年生から大会に参戦し、5年時の昨季は全国小学生ゴルフ春季大会に出場。兄の背中を追い、アメリカ進出を目指している。

取材・撮影/田中紘夢