地域スポーツ

元日本代表たちが指導 諏訪地域に夢を与える

往年の名選手から指導を受け、子どもたちは大きな刺激を受けた。元サッカー日本代表・金田喜稔氏によるサッカークリニックが10月15日、富士見高原リゾートジュネス八ヶ岳 天然芝グラウンドで開かれた。
 同イベントは長野日報社が主催し、FCアビエスを運営する一般社団法人アビエススポーツクラブが全面協力。金田氏の誘いを受け、同じく元日本代表の永島昭浩氏と那須大亮氏もコーチとして参加した。
 FCアビエスの菊池和貴氏は「諏訪地域はなかなか元プロ選手に触れる機会が少なかったし、コロナ禍でイベントもできていなかった。元日本代表の方に来ていただくことによって、子どもたちだけでなく大人や保護者、指導者にも刺激を得てほしかった」と開催への思いを明かす。金田氏のサッカークリニックは塩尻市で定期的に行われているが、諏訪地域では初開催となった。
 当日は小学4〜6年生を対象とした第1部と、大人を対象とした第2部に分かれた。第1部には、県内外から約160名の子どもたちが参加。パスやトラップなどの基礎練習から始まり、最後は5対5のミニゲームで元日本代表と対峙した。


 「普段それぞれのチームで指導されていることに近かったと思うが、元日本代表の方々が教えると子どもたちの感じ方も変わってくる。そういう意味では新鮮だったのでは」と菊池氏は振り返る。イベント後、子どもたちは記念ユニフォームにサインをもらい、保護者とともに目を輝かせていた。引率で訪れた指導者たちも、映像撮影やコーチングに耳を傾けるなどして刺激を得た。
 今回協力したFCアビエスは茅野市を拠点に活動し、ジュニアユース(U-15)、社会人チーム、シニアチームの3カテゴリを備える。そのほか地元の少年団との交流や保育園巡回など、サッカーの普及に広く携わる。
 「子どもたちに向けて環境を作るのはもちろんだが、シニアサッカーも県内で盛り上がりつつある。年齢は関係なくサッカーに親しめる場を設けて、みんなが楽しめたり、地域が盛り上がるような活動をしていければ」と菊池氏は力を込める。

 諏訪6市町村を含む南信地方はサッカーが盛んとは言い難い。それでも今年6月には東海大諏訪高が県高校総体で優勝し、10月には宮田村出身の松本山雅FC U-18・田中想来がトップチーム昇格を決めた。今回のイベントも含めて足がかりは得ており、さらなる発展に期待がかかる。

取材/田中紘夢
写真提供/FCアビエス