地域スポーツ

プロが教えるスクール 県バスケ界の底上げを

プロのスキルを目の当たりにし、子どもたちが成長を遂げている。今年5月に結成されたMAMBA AZUMINO BBC(以下、MAMBA)。小学生を対象としたバスケットボールスクールで、10月4日現在は12人の選手が所属している。
 代表を務めるのは、3人制プロバスケットボールチーム・信州松本ダイナブラックスでプレーする関口力コーチだ。長野市出身の24歳で、県内の強豪校である犀陵中と東海大諏訪高で活躍。その後は白鴎大(栃木)に進学し、国民体育大会(国体)の栃木県代表にも選ばれた。
 「長野のバスケットボール界の底上げというのは、自分が小学生(大豆島ミニバス)だった頃から言われていた。県外でトップレベルを味わった中で、そこに関与できないかと思った」と関口コーチ。チームでの指導歴はなかったが、個別指導の経験を持ち、「周りからコーチを勧められることもあった」という。
 チーム名の由来は、バスケットボール界のレジェンド・コービーブライアントの愛称だった「Black Mamba」から取った。世界で最も危険な毒ヘビの一種。“狙った獲物は逃さない”という意味が込められており、「それくらい個のスキルを高められたら」と関口コーチは話す。

 選手は小学校のミニバスケットボールチームに所属しながら、さらなる技術の向上を求めてMAMBAに通う。その一人である6年生の松原由季人は、友人からの勧誘を受けて「プロに教えてもらえるし、他のチームの選手ともプレーできるので入ろうと思った」。普段は穂高北小でプレーし、「MAMBAで練習する中で1対1が上達して、チームでも生かせた」と声を弾ませる。
 彼らは関口コーチから大きな刺激を得ているようだ。練習ではプロのデモンストレーションを受け、感嘆した表情を見せる。選手とコーチが1対1を行う練習もあり、「全然勝てなくて悔しい」と松原。関口コーチ自身も「見本を示せるのが自分の強み」と言い、単なる指導者ではなく憧れの存在にもなっている。

 発足から半年足らずで12人が集ったが、その大半は口コミから。関口コーチはさらなる小学生の受け入れに加え、卒業する6年生の受け皿として、中学の部の創設も視野に入れる。「純粋にバスケットボールがうまくなってほしいので、スクールというやり方を変えるつもりはない。それだけでなく、大会などのイベントも開いていけたら」。現役選手だからこそできる指導を追求しつつ、長野県のバスケットボール界の底上げを図るつもりだ。


■関口力コーチ
私は高校まで長野県にいて、独学で個人レベルを上げていきました。環境や境遇に恵まれなくても、それを言い訳にせず成長していくことができる術を伝えていきたいと思っています!


■松原由季人くん(6年・穂高北小)
僕はガードでプレーしていますが、関口コーチに教えてもらうようになって、1対1のコンタクトがうまくなりました。将来はプロバスケットボール選手になりたいです!

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取材・撮影/田中紘夢